店  名
 かつ亭
食べた日
2002/10/30

住  所
 秋田県大仙市福田町12-65
営業時間
11:00〜14:00 17:00〜21:00

電話番号
 0187-63-6153
定休日
木曜日

かつ亭カレーライス
かつ亭カレーライス・アップ
かつ亭カレーライス・フライ
ミックスかつ定食
山盛りキャベツ
前  説

 多分今年の夏真っ盛りだった頃、突然美味いエビフライが食べたくなった。とんかつの美味い店とか、天ぷらの美味い店なんてのは良く聞くが、エビフライのウマイ店なんて実は今迄に聞いたコトもない。やっぱ藤よし(秋田のとんかつ専門店)かなぁ、等と平凡に考えていたが、藤よしに行くなら池やに行きたいよなぁって、思考が見事に堂々巡りにハマっていた頃、ふと思いついて、職場でその話をしてみた。

 すると、『確か大曲にとん亭って名前の美味いとんかつ屋がある。そこのエビフライならば美味しいのでは無かろうか。』と言う言葉が返ってきた。正直、秋田市内で食べたいのに大曲ですか?と思ったが、(秋田市内から大曲市内まで、車で約1時間と考えて頂きたい。)突然大曲の取引業者にその件ダケのために電話をし始めた。以前その業者と大曲で食事をした時、その店に行って美味かったのを思い出したらしい。

 いくら何でも取引先に、とんかつ屋の件だけで電話をするのは如何なモノかと思ったが、昔は大曲市街地にあったが、今はバイパス沿いに移転したと言う情報までマンマとせしめてしまった。最終的には地図迄書いてくれる始末。ココまでしてくれる相手に向かって、『ありがとうゴザイマス。今度是非行ってみます。』等と一応お決まりの様な言葉を言っては見たモノの、しばらく行くあては無いよなと考えながら、絶え間なく押し寄せる親切のビッグウェーブに笑顔で答えていた。

 美味いエビフライを食べたいと言う欲求が、徐々に沈静化しつつも心の片隅でブスブスと燻っていた頃、まあ女王様繋がりで、県南方面の事情に詳しいisekiさんに巡り会った。ヒョットして…と思い、isekiさんに『大曲にとん亭と言う名で評判のとんかつ屋ありますか?』と聞いたら、どうやらソノ店は『とん亭』では無く『かつ亭』であるコトが判明。

 あれ?かつ亭?とん亭じゃないの?かつ亭?既に何人かに『大曲にとん亭と言う評判のとんかつ屋がある!』と触れ回っていた後だったので、背景にタレ線が何十本もぶら下がっているのを感じた。嫌な汗が背中をつたう。

 あぁ〜もう!大曲の業者の方、チャンと訂正して教えて下さいよ!とか思ったが、今思うと仕事中にそんな電話を入れられて向こうも困っていたに違いない。細かいコトに気をとらわれている暇は無かったのだろう。適当にあしらいながらもこちらが満足する様な回答を用意する辺り、ただならぬモノを感じる。その会社の未来には、明るい展望が開けているであろうコトが容易に想像できる。

 isekiさんの情報によると、カナリ評判良いらしい。ココまで来て一気にかつ亭に行きたい!と言う情熱が高まって来た。しかしソレはただ単に美味しい料理を食べたい!と言う欲望だけに独占されていて、美味しいエビフライを食べたい!と言う初期の目的は、最早ドコカにきれいサッパリ置き去りにされてしまっていた。

 ・・・前説ダケでコンナに長いの初めてです。


Comment

 大曲に行く用事無いかなぁ〜と思っていたある日の朝、会社に着くとセンムに『今日県南方面行くんだケド、ちょっと手伝ってくれ。』と言われた。普段なら『そんなコト突然言われても困りますぅ』何て、昨日迄お兄さんみたいな人だと思っていた先輩に、不意にコクられた女子高生の様な反応をするトコロだが、お昼頃大曲にいるか?と聞いたトコロ、その予定だと言う。2つ返事でOKしたのは言うまでもない。

 大曲迄移動の車中での洗脳の効果が現れ、めでたくお昼はかつ亭で摂るコトとなった。12:30を少し回った時間に入ったにも係わらず、殆どの席が埋まっている。人気の高さが伺えた。メニューを見るとソコには、定食類はご飯・味噌汁・キャベツがおかわり自由です。食べ放題です。と書かれていた。

 食べ放題!何て素敵な響き。アモーレ(恋して)、カンターレ(歌って)、マンジャーレ (食べる)をモットーとするイタリア人ならずとも、万人を惹き付けてやまない魅力的な香りがソコには漂う。普段なら間違いなく定食類に走るトコロだが、つい先日マンジャーレを地で行く、イタリアン食べ放題の店に行き、文字通り食べ過ぎで痛い目にあったバカリだ。定食類を避けるかの様に次のページをめくった。

 するとソコには、isekiさんオススメらしき、かつ亭カレーが載っていた。とんかつとエビフライと山盛りキャベツよって構成されているその皿は、しかし確か、結構なボリュームがあるって聞いた様な気がする。何を食べるにも量と格闘しなければいけないのがコノ店のルールなのだろうか?一瞬その横に載っていたお子さまセットに目が向いたが(とんかつ+エビフライ+ハンバーグのカレー。おそらく、かつ亭カレーよりも量が少ないに違いない。)多分お子さましか頼んじゃいけないんだろうなと思い、一勝負打つつもりで、かつ亭カレーを頼んでみた。センムは本日のランチ。一口かつと魚フライだそうだ。

 注文し終わった後にもう一度メニューを見てみると、レバかつ定食って書いてあるのを見つけた。まあ女王様に教えて貰って、最近レバーフライに目覚めつつあったので、しまった!と思ったが、レバーフライなら三浦精肉店で100g\150で買える。ここで食べたら\880だ。と自分に言い聞かせ、かつ亭カレーの到着をヒタスラ待った。余計な情報が入ってこない様に、メニューも閉じた。

 頼んだ料理が到着。かつ亭カレーにもランチにも豚汁と温泉タマゴが付く。カレーと豚汁って一見不釣り合いの様に感じるが、途中までは作り方も材料も似ているので、提供する側からすると、そんなに差異は感じられないのかも知れない。

 かつ亭カレーは、ご飯の上にとんかつとエビフライが乗っかっていて、直接カレーはかかっていない。ご飯の横にカレーがある。コレはチャンス。普通にソースをかけたとんかつと、カレーを付けたとんかつと、2通りの味を楽しむコトが出来る。エビフライについても同じコトが言える。このエビフライ、定規で測るワケにはいかなかったが、目測で20cmと判断。早くも食べきれるかどうか解りませぇ〜ん!と食欲中枢がアラームを表示し始めていた。

 ランチも凄かった。直径30cmはあろうかと言う皿から、更にはみ出す様な大きさの魚フライが目を惹いた。普通なら切れ目が入っていても良さそうなモノなのに、おそらくそれでは、せっかくのボリューム感が台無しになってしまう!と言う店側のストレートな主張を感じた。

 そして一口かつ。コレが2切れ付いてきた。メニュー的には『一口かつと魚フライ』では無くて、『魚フライと一口かつ』って感じだ。実はランチを頼もうか迷ったのだが、何故か一口かつって言う言葉が気になって頼むのをやめていた。かつを沢山食べたいと思っているのに、かつがチョットしか来ないのかも知れないと言う予感が働いたのだ。コレも、日頃のB食鍛錬の賜物か。

 ドンブリにもご飯がタップリ入っている。コレでおかわりする人なんているんですか?と思わず店の人にアンケートを採りたくなったら、目の前でおかわりしている人がいた。我が目を疑う。あっけにとられている間に、更に2名がおかわりをしていた。さすがに3杯目を食べる人はいなかったが。

 カレーは恐らく、お子さまセットに使われているカレーと一緒で、お子さまでも食べられる様に、辛さを感じないものであった。等と冷静に分析できたのもココまで。2/3食べ終えた時点で、食欲は満たされ、もうコレ以上食べ物は必要ありませんよぉ〜!と食欲中枢が訴えかけて来る。リミッターを外す時が来た。自分の限界との戦いが始まる。いつ終わるとも知れぬその行いに、どの様にして終止符が打たれたのか、今となっては記憶もおぼろげだが、確かに完食を果たした!と言う現実だけが、その場で起こった出来事の全てであった。

 かつ亭カレーとの、近来稀に見る熱戦を制した後に、真っ先に頭に浮かんだコトは、『こりゃ今日の晩ご飯いらないな。』ってコトだ。もちろんソノ夜は何も口にするコト無く、眠りに就いた。