店 名

そば処 けん太

 

 

 

住 所

秋田市広面字蓮沼85-1-1F 

食べた日

2005/01/04

TEL.

018-835-6689

 

営業時間

前 説


 例年通り、年越しそばを食べない年末をB食クラバーは過ごしていた。大晦日に、細く長く
生きられる様にとの願いを込めてそばを食べる風習があると言うコトを、どっからどうみても
平均的な日本人であるB食クラバーは知っているし、TVなんかを見ていると、狭いそば屋に
行列を作っているお客さんと、休む間も無しにそばを提供し続けている店員さんなんかの映
像がお決まりの様に流れているのだが。

 今年も年越しそばを食べるシーズンが来たんだなぁとは思うB食クラバーではあるが、だ
からと言って、自分も食べなきゃ!って思わないトコロが、自分でも解らないB食クラバーミ
ステリーポイント。

 そしてお決まりの様に、年が改まってから無性にそばが食べたくなるのも、理由の解らぬ
B食クラバー的ミステリー。別におせち料理やお雑煮に飽きたからカレーやラーメンが食べ
たくなるとか言う、磯之家チックなコトがあるワケでも無いし、そもそもソレ以前におせちも
お雑煮も食べちゃいない。

 こんな風に書いていると、もっと季節の風物にあった食生活をしろ!と自分で自分にツッコ
ミも入れたくなるが、まぁ、食べたい時に食べたいモノを食べれば良いか!と、無理矢理自
分を納得させてみたりする。

 そう思うと、何故か一刻も早くそばを食べたくて仕方なくなった。食べたいモノは食べたい
時にたべなきゃダメなのだ!と、バ力ボンのパパ風な衝動が湧き起こってくる。ドコのそば
屋に食べに行くかと考えた時、やあまさんに教えて貰ったそば屋のコトがスグに頭に思い浮
かんだ。広面にあるソノそば屋はワリと目立つトコロにあり、行ったコトのある人の話を聞い
ても評判が良いし、いつか行ってみたいと思っていたのだが、ようやくその機会が訪れた。

 子供の頃はうどんよりそばが好きで、って言うかハッキリうどんは嫌いだったB食クラバー
であるが、仙台に移り住んでからはうどんの美味しさに目覚め、うどんバカリ食べていた。そ
して更に東京に住んでみると、今度は老舗の本格的なそば屋ワールドに足を踏み入れるコ
トになり、もりソバの魅力へとはまっていった。

 ソレまでワサビはツユに溶かして食べていたのだが、ソバに乗っけて食べる様になって、
店の格式と共に食べ方もグレードアップ。だからと言ってうどん嫌いにはならずに、讃岐うど
んも好きになって行く辺り、東京の食ワールドは懐が深い。

 そんなワケで、秋田に帰って来てからも、もりソバとか食べたいなぁとかは思っていたのだ
が、B食クラバーの活動範囲では、もりソバを出している店はあまり見つからなかった。ザル
そばしか無かったり、もりソバってのがあっても、東京と比べると、3倍位の量が平気で乗っ
かっていたりして、イマイチ粋さに欠けていたりする。

 と、ココまで書いて何故B食クラバーが年越しそばを食べないのか、その理由が解った様
に感じるのは気のせいか。

Comment


 しかし実際には、その直前までドコのそば屋に行くか悩んでいた。一旦けん太にしよう!
と決めて車を走らせてみたが、違うそば屋の話を聞くとソチラが気になって仕方なくなって、
向かう先を替えてみたりと、相変わらずの優柔不断さを発揮していた。コノ場合、行ってみた
い店が多すぎるコトが原因なのではないかと、決して自分のせいなんかじゃ無いぜ!と思う
B食クラバーであったが、結局もう1軒行こうとした店はチト遠いだろうと思うに至り、改めてけ
ん太へと向かうコトにした。

 お正月の夕方早めの時間。店内には2組程の先客がいるだけであった。やはり皆年末に
そばを食べたバカリだし、正月早々そばを食べに来る素っ頓狂な人は少ないんだろうなと思
いテーブルに着いた。お品書きを開くと、そば屋らしからぬ量のメニューがあって驚いた。そ
して、やあまさんの言葉がB食クラバーの脳内を駆けめぐった。

 やあまさんは斯く語りき:
  けんたの高原汁とそばがお気に入り。
  普段は天ざるとねぎそばですけどね。
  大人は黙ってざる一枚とか、
  盛り一枚でスマートに帰ってこれるようになりたいのですが、
  毎回魅惑のメニューに目が踊っております。

 確かに目が踊らざるを得ない程の魅惑のメニューが並ぶ。一体何を食べれば良いのか心
が定まらない。こう言う場合は人から聞いたメニューを頼むのが早いのだが、それでもやあ
まさんは高原汁、天ざる、ねぎそばと3種類も例を挙げていて、コレを適用しようとしても、事
態は一向に解決の気配を見せはしない。

 散々悩んだ挙げ句、そば、天ぷら、刺身、お新香に御飯がセットになった大名定食を頼む
コトにした。メニューの写真を見ると、B食クラバーが食べるには御飯がチト多い様に感じれ
られたのだが、天ぷら+刺身と言う、他には無い組み合わせがB食クラバーの心を捉えて離
さない。

 御飯がいらなければ天ざるを頼めば良いのだろうが、それには刺身が付いていない。コレ
ら2つの食材は、マサに大名が食べるに相応しい組み合わせなのであろう。それゆえに、刺
身が付いていない天ざるは、大名天ざるとは言わずに只の天ざるなのだ。だが、大名が食
べるモノに定食と付くのは如何なモノか。大名にはヤハリ御膳と言う言葉コソ相応しいので
はなかろうか。

 などとイツモの様に下らないコトを考えていると、じきに大名定食はやって来た。天ぷらは
海老×2、タケノコ×2、かぼちゃ×2、キス×1、その他キノコ関係と、申し分ない量である。
そばの方はと言うと、やあまさんの言う通り、田舎風でぶりっとしており、更にコシが強く、
透明感のある黒さで、パッと見にも美味そうであるが、食べてみても美味かった。

 実はアマリ期待していなかったので、暖かいかけソバを食べたワケだが、今度は冷たいソ
バを食べてみたくて仕方ない。そして案の定、御飯はB食クラバーの胃袋には入りきらなか
った。どうにかその全てを食べ終えたのだが、暫くは店内から動きたくなかった。そしてソノ
時、改めて店内を見回してみると、全てのテーブルが埋まっており、座れなくて帰るお客さ
んもいた程である。今迄足を踏み入れたコトの無いそば屋が、こんなにも人気のある店だっ
たとは、知らなかったのが歯がゆくて仕方ない。

 満腹のお腹を抱え、会計をするためにレジへ向かったB食クラバーの体が一瞬ピタリと止
まる。ソコには、以前一緒の職場で働いていた人が立っていたのである。まさかこんなトコロ
で会うとは思っていなかったB食クラバーは、とっさのコトにうろたえながらも、手短に互いの
近況を伝えあった。そして、『あっ、ひょっとして知り合い割引が適用になるかも!』と、悪い
考えが頭の中を駆けめぐり始めた頃、次のお客さんがレジに並びだしたので、泣く泣くそれ
については諦めざるを得なかった。今度行く時はその辺も充分考慮に入れたい。

 

大名定食 \1,360