店  名
 ポテトハウス
食べた日
2007/02/10

住  所
 秋田県横手市杉目字七日市73-1
営業時間
11:00〜18:00ごろ

電話番号
 0182-33-5017
定休日
 木曜日

店外観
海老入りコロッケ
海老入りコロッケアップ
海老入りコロッケ断面
サラダ
スープ
ライス
ポークの塩焼き入コロッケ断面
前  説

 横手にコロッケの美味しい店があると聞いたのは何年前のコトだろうか。美味しいと言う言葉と共に、大きいと言う言葉も聞いて、ソレがB食クラバーの心に長い間、常に横たわるコトとなった。

 しかしソノ頃のB食クラバーと言えば、ホトンド秋田市内から外へは出掛けたりしないヒキコモラーだったので、美味しくて大きいのも良いケド横手市じゃね、とか言って、ソレ程深いくさびを打っているワケでもなかった。

 ソレでも何度か横手市に足を運んでいるウチに、国道沿いにログハウス風の建物があるコトに気が付いた。あのログハウスなんだろうなぁ〜。民家だろうか。格好良いなぁ〜。とか漠然と思いを巡らせている間に、そう言えば横手のコロッケが美味しい店って、ログハウスだって聞いた様な気がして来た。

 頼りない記憶を明確化して行くとソノ店ポテトハウスは、国道沿いにあると聞いた様な気がする。もしかしてイツも見るあのログハウスがポテトハウス?と、ようやく両者の接点に気が付いたB食クラバーは、次にログハウスの前を通る時、必要以上に車をゆっくり走らせ、建物を可能な限り注視してみた。

 するとどうにか、壁にポテトハウスと言う文字を読むコトが出来た。ココか!ココなんですか!?と、気になっていた店をいつも素通りしていた事実に驚きを隠し切れないB食クラバー。いつも通っていたんだから、寄っときゃ良かったよ!との後悔が走る。

 ソレと言うのもソノ時を境に、ポテトハウスが営業している様子を伺うコトが出来なくなったからだ。大概夕方以降の時間にポテトハウスの前を通りかかるコトが多いのだが、店に明かりが灯っている場面に遭遇するコトが無く、もしかしてもう店って営業を取りやめたんじゃないだろうか?と言う疑念が浮かび上がって来た。

 更に去年、平成18年豪雪と名付けられた程の大雪が秋田県を席巻。交通網が麻痺し、陸の孤島秋田!と全国的に報じられた大雪も峠を越した頃横手市迄出掛けてみたが、ポテトハウスのある辺りは、マルっとスッポリ、雪に埋もれまくっていた。

 店だとすれば必ずや営業しているハズ。しかしパッと見、周りにある道路のドコからも、ログハウスに到達できる道筋らしきモノは発見できなかった。正面、右、左、裏と、全ての方角を自分も雪に埋もれながらオールレンジで検索してみても、ヤハリ見つけるコトが出来なかった。遠くから見るポテトハウスには明かりも灯っていなく、とても営業している風には見えない。

 店迄辿り着けば、何かヒント的なモノが得られるかもしれない!とも思ったが、一度も除雪した痕跡を感じさせない、積雪1m余りと想像される50m程の雪原を歩くには、ソレだけで遭難しそうな程の困難さがあると判断したため却下。『秋田市民、横手市内で遭難!食い意地の果て…』なぁ〜んて見出しが翌日の新聞の一面を飾った日には、死んだバーチャンにも申し訳が立たない。ソノ日はソレ以上の行動を諦めた。

 もう美味しくて大きいコロッケを食べるコトは出来ないのか!と言う諦めと同時に、それでも食べずにいられるか!と言う欲望も交錯し、ポテトハウスの前を通る時は、いつも注意して店を見つめるコトを繰り返していた。ソレは最早、横手市に行く時の、文字通りの通過儀礼となっていた。


Comment

 と、ある日のお昼過ぎ、今日はどうなんだろ?と何気なく店の中を見てみると、なんと明かりがついている。ヒョットして営業しているのか!と思ったが、その時はお昼ゴハンを食べた後だったので、帰りに確認すれば良いや!なんだったら晩ご飯はソコで食べれば良いジャン!位の気持ちでいたのだが、晩ゴハン時に店の前を通りすぎると、あれ?店の場所ココじゃなかったっけな?って思うぐらい真っ暗で、営業している雰囲気を微塵も感じさせない。昼間見たアレは、自分の過ぎた願望が見せた幻覚だったのだろうかと、コメカミを押さえたくなってきた。

 しかしソノ後、何度か店の前を通る機会に恵まれ、観察した結果によると、どうやらお昼の時間だけ営業しているらしいムードが見て取れる。夜は早じまいしているっぽいトコまで解った。ポテトハウスでコロッケを食べるにはお昼しかないんだ!と胸に刻み込み、そして遂にソノ瞬間が、光と共にやって来た。あぁ、眩しくてもう何も見えない。

 予定通りの午後1時過ぎ、ポテトハウスは予想通り営業していた。一瞬、あれ?営業していないの?って感じたが、ソレはどうやら、今迄ポテトハウスに辿り着くコトができなかった、過去の自分が発した嫌がらせだったか。店の扉を、開ける。

 焦げ茶色の強い色の丸太で組み合わされている店内。テーブルも椅子も、既製品ではなく、おそらくはコノ店を作る時に出来た端材を利用して作られたモノで、ガッシリとしていてしかし、座り心地も良い。多分海外製であろう薪ストーブが、店内を柔らかく暖めている。

 ダンディでいかにもログハウスが似合いそうな店員さんが注文を取りに来てくれた。最初に話を聞いた時から食べたくって仕方の無かった、海老入りコロッケを頼んだ。あとは、ワクワクしながら待つダケだ。

 店員さんがコロッケを持って来てくれた。話には聞いていたが、ソノ大きさに只々驚く。自分の握り拳と同じ大きさくらいのコロッケが、皿に2つも載って来た。ソレはコロッケと言うよりも、威勢のいい居酒屋で良く見かける、ジャンボ焼きオニギリと言われた方がシックリと来る。

 ナイフを入れる。高さ3cm以上はあろうかと言うコロッケの中から、まるまった海老が驚くB食クラバーをあざ笑うかの様に出来て来た。ソレは1尾だけでは無い。2尾、3尾。アマリの幸せに、もはや正確には数えられない。そして、大きいというコトはソレだけお腹にたまる量も多いと言うコト。1ヶを食べた辺りでお腹もキツクなって来た。

 見た目から感じられるボリュームとは裏腹に、食べた感じは非常にサッパリ。もしかしたらコレって、油で揚げているのでは無いんじゃないかとさえ思えてくる。コレだけの厚みがあるコロッケなのだから、具には最初っから火を通しておいて、で、後から軽く焼き目を付けるダケなのだろうか。しかしソレにしては、全体の焼き色の美しさと言ったらない。ヤッパリ揚げているんだろうか?食べている時はアマリに感動し過ぎて気付かなかったのだが、考えれば考える程不思議になって来た。次回行った時には、どうやって作るのか聞いてみよう。

 ふとメニューを見てみると、店の住所と営業時間が載っていた。それにはハッキリと、営業時間が『午前11時から午後6時ごろまで』と書かれていた。午後6時ごろまで。何と言うアバウト感。コレが夜に通ると店の明かりが消えていたソノ理由かと納得。昼しか営業していないと考えたB食クラバーの推測は、当たらずとも遠からずだったのだ。

 そしてソノ日、午後6時前にポテトハウスの前を通りかかったのだが、案の定店の明かりは消えていた。