その情報を得たのは10/1平日の午後。突然色めき立つB食クラバー。仕事中ではあるが
モハヤいても立ってもいられない。脳内情報の80%以上を匠味が占め、仕事のコトなど何一
つ手に着かない。朦朧とした意識の中、ついついクラバーMさんに話をしてしまった。すると
クラバーMさんも今迄に無い食いつき具合で興味を示して来た。コレは行かねばなるまい。
その日、夕方の仕事上がりで、モスバーガー広面店に向かうコトにした。
なるべく早く仕事を切り上げ夕方のラッシュアワーを切り抜け、店に着いたのが18:20頃。
店の前に、特に目に付く幟などもあるワケでなく、一瞬不安になったが、玄関に置かれた黒
板に『本日2時より匠味販売開始!』と書かれていた。ちゃあさんの情報に間違いはない。
揚々とカウンターに向かい、店員と対峙した。
店:『ようこそいらっしゃいませ。新発売のジャンバラヤバーガー如何でしょうか?』
B:(何でいきなりジャンバラヤなんだよ。と、それには聞く耳持たず)『匠味下さい。』
店:(突然遠くを見る様な眼差しで)『っあ、申し訳ございません。本日は売り切れました。』
B:(顔面蒼白になりながら)『何時頃売り切れたんですか?』
店:(無表情なスマイルで)『2時からの販売となっております。』
B:(ん?受け答えがおかしい?と思いながら)『いや、何時頃売り切れたんですか?』
(と再び同じ質問を繰り返す。)
店:『一時間程前に売り切れました。』(やはり無表情なスマイルで)
一瞬、日本語が通じない方なのかと思ってしまったが、おそらくマニュアルで質問の順番
さえも決まってしまっているのだろう。店員にしてみれば、チャンと順番通りに質問して下さ
いと言いたいトコロなのだろうが、それにしても14:00から販売を開始したモノが17:30に売り
切れてしまうとは!匠味を食べるために必要な距離は短くなったが、時間だけはどうにも出
来ない。とりあえずその日は諦め、日を改めてチャレンジするコトにした。(結局その日は店員の
思惑通り、2人共新発売のジャンバラヤバーガーを食べた。美味しかったから良しとすべきか。)
迎えた日曜日、今度はクラバーKと共に出掛けるコトにした。運悪くクラバーKは、前日に
モスバーガーを買っており、その残りを朝食べたバッカリだと漏らしていた。が、匠味のコト
は知らないらしい。どう言うモノか説明したトコロ、やはり良い食いつき具合で興味を示して
来た。ニッポンの技と言うくだりが人を惹き付けるのだろうか。
14:00丁度に着くのも見え見えなので、14:30頃に着く様に出掛けてみた。すると今度は、
店の壁一面を使って匠味の広告が貼られていた。初日は間に合わなかったのだろうか?
更に、『1日10ヶの限定販売です。』と書かれていた。店舗が限定されている上に数量迄限
定されているとは。限定尽くしのコノ一品。開幕当初のJリーグのチケットを思い起こさせる。
見に行きたい人は一杯いるのに、客席が少ないため、チケットの販売枚数が限られてしま
うと言う、当時の過剰な迄の熱狂ぶりが脳裏をよぎる。
1日10ヶと言う注意書きが、我々を少々弱気にさせたが、ココまで来て黙って引き返せる
ワケも無い。僅かな可能性に賭けて、カウンターに行ってみた。対峙するのはコノ前と同じ
店員。コチラのコトを覚えているのかどうか解らないが、今度は『匠味バーガーいかがです
か?』と聞いてきた。まだあるらしい。ホッと胸を撫で下ろすB食クラバー&クラバーK。元々
匠味を食べに来たのだから望むトコロである。2人揃って匠味を頼んだ。
すると、『コチラの商品、出来上がる迄に10分程掛かりますが…。』と言ってきた。店舗限
定、数量限定の上に時間迄掛かるとは!(ついでにお金も。)しかしコレもニッポンの技を堪
能するためなのだから仕方ない。逆に10分で味わえるのなら良しとするか!とタマには珍
しくポジティブシンキング。
お腹を空かせながら待っていると、ようやく匠味が到着した。びっくり。写真で見たとおり
のビッグマックサイズである。小さいハンバーガーの中に精密な技巧が施されているモノだ
とバカリ思っていたのに。ふとトレイを覗いてみると、名刺の様なモノが置かれている。何か
と思ったら、『本日の製造責任者』と言うコトで、作った人の名前が載っていた。調理するス
タッフも厳選されていると言うが、匠味を作るコノ人の腕前こそ匠と言ったトコロか。
海外でハンバーガーを食べたコトのあるクラバーKは『アメリカのハンバーガーみたいだ。』
と言った。残念ながらB食クラバーは海外でハンバーガーを食べたコトがないが、言われれ
ばそうとしか思えない程の説得力がある。
ハンバーグはオージービーフの赤身。1つ1つ手で捏ねたパン。国産大豆、小麦と天然水
を使用したタレ。ハンバーグ、タマネギ共、あたかも炭火で焼いたかの様な風味がある。成
る程、外見はアメリカでも、全てに日本の技術を感じる。匠味と言う名前も決してオーバー
なモノでは無い。
ビッグマックサイズの上、中身もギッシリ詰まっているので、全て食べ終える頃には結構
お腹も膨らむ。おやつ代わりに食べてみようとか、軽く食事をしたいんだケドって人が食べる
のは避けた方がよかろう。
先程の名刺を更に良く見ると、下の方にナンバリングがされており、クラバーKとB食クラ
バーの分で#9、#10であった。最後の商品をギリギリで食べるコトが出来たのである。ラッ
キーとしか言い様が無い。気になってレシートを見ると、B食クラバーが匠味を頼んだ時間は
14:26。販売開始から僅か26分で、1ヶ\580からのハンバーガーが売り切れるとは。世の中
不況と声高に叫ばれているが、飽食日本、まだまだ健在の様である。
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