『横手の美味しいイタリアンの店行ったんですぅ。』と、相変わらず瞳をキラキラさせながら食いしん坊隊隊長がソノ体験を、宝石の様に大事そうにB食クラバーに語ったのは、もう4年位前のコトだろうか。
いくら美味しくても横手じゃチョット遠いよなと、宝石の様に大切に語られた言葉を、優先順位のカナリ低い方にある引き出しの、更に奥の方へしまおうとした瞬間、食いしん坊隊隊長は、光よりも眩しい言葉を、ソノ唇から紡ぎだした。
『ソコはミポリンのお母さんが経営している店で、壁に写真とかサインとか飾りまくってるんですぅ〜。』と。なにせ推定4年前のコトなので、細かい言葉までは覚えていないが、大意でコノ様なコトを言っていた。
宝石が光に変わるモーメント。両者の内、どちらが価値のあるモノなのか、決めるのはソノ人次第だが、只の美味しいイタリアンの店が、ミポリンと言う単語の登場によって、B食クラバーの中で劇的に変化したのは間違いない。
と言いながら、別にミポリンのファンと言うワケでは無い。しかし彼女の出演するドラマは大抵見る。おいしい関係、眠れる森、二千年の恋、Love Story。更にスクリューボールコメディはアマリ需要がないせいかそれ程受け入れられなかったが、ホーム&アウェイも好きである。中でも1番好きなのは、浜ちゃんと競演した、もしも願いが叶うならだろうか。歌もその主題歌だった、ただ泣きたくなるのが好きって、コレは立派なファン宣言なんじゃ…。
とにかく引出の優先順位が、グググッと急カーブを描いて上がってみせた。しかし食いしん坊隊隊長め、一体ドコからソノ様な情報を仕入れて来たのかと思っていると、どうやら、味盲Iさんから聞いたらしい。味盲Iさんは当時、主に県南方面の営業を担当しており、現在は県南地域に住んでいる辺り、よっぽど気に入ったのだろうと推察されるが、そんな人の言う情報なので間違いは無いであろう。
コレはもう絶対に行かなきゃな!と思いながらも、予想されたとおり月日はあっと言う間に流れて行った。
仕事が異常に忙しい春のシーズンが終わり、貴重な休日を潰した分の代休を取ったB食クラバーは、休みは取ったモノの、サテ何をしよう?と考えあぐねていた。前日までは疲労が溜まりに溜まり、本人は別にそうしたいワケじゃ無いのに、辺りに鋭い視線と不快な雰囲気を投げ掛けまくっていたコトは、自分でも結構認識していたが、それをどうにか出来る気力も気配りも、ソノ時のB食クラバーには残されていなかった。
コレは代休2日間、寝て過ごすのが最善だな!と思ったのだが代休初日の朝、目覚めてみると初夏の様な素晴らしい天気であった。余談だがB食クラバーは、1年の中でその頃の気候が1番好きである。ソンナ朝を迎えたB食クラバーは身も心も、前日までの疲労困憊具合はホントだったのか?ってぐらい、快適な気分に浸っていた。天気が良いからなのか、仕事が休みだからなのかは解らないが。
とにかく、コノ2日間寝て過ごすんじゃ勿体ない!と思い始めたB食クラバーは、少しでも充実した代休を送ろう!と考えた。そして2日目の代休は横手へ行こう!と思い立った。横手と言えば最近当HPのBBSで、沢山の方々がB食クラバーの脳味噌に収まりきらない位の情報をもたらしてくれているスポットである。何件か店を回り、そして最後には念願のミポリンのお母さんの店でディナーを!と出掛けてみた。
いつものコトだが、大体の場所だけ覚えて、あとは現地でのカンに頼って店を探した。秋田ふるさと村(と言う観光スポット)の入り口にあり、スグに解るよ!と、他に行ったコトのある人から聞いていたので大丈夫だろうとは思っていたのだが、ヤハリすぐに見つけるコトが出来た。って言うかB食クラバーにスグに解るよと教えてくれた方々は、何故B食クラバーを誘ってくれなかったのだろうと微かな疑問が。
秋田っぽくなさそうな雰囲気の建物が、ミポリンっぽさを感じさせるに充分である。噂によると、タマにフラッといる時がある、とか聞くのだが、それは信憑性がゼロでは無いにしろ、マサカいないだろ。とか思いながらもヒョットして…ってもう、普段全然モテたコトが無いクセに、全部の女子が自分にチョコをくれそうに感じてしまうバレンタインデー当日の男子中学生の様に一方的なドキドキ感を抱きながら店内に入ってみたが、他にお客さんはいなかった。ガッカリ。
パスタとピザ、そしてデザートにファーブルトンを頼む。ちなみにファーブルトンって何のコッチャ?と思い店員に聞いてみると、『暖かい(何とか)ケーキの上に、冷たいアイスクリームが載っかって…』と、ソコまで聞いだダケで注文を決めた辺り、猛烈な吸引力を感じる。
2階へ行ってみたかったのだが取り敢えず席は1階で。店内を見回してみると、ミポリン姉妹の写真やらなんやらが沢山飾られている。料理が出てくるのを待ってる間も、全く気にならなかった。そんな中で頂くイタリアンは、ムードも手伝ってスーパーワンダホー。デザートもファーストインプレッションに負けない強さを持っていた。
ようやく念願叶って来るコトが出来たパサポルテには、至る所に中山姉妹の笑顔が溢れていた。