厳寒の季節を迎えた秋田県で、毎年この時期恒例となる「自動車の塩漬け作業」が始まった。程よく雪が積もったこの日、各農家は一家総出で、普通車や軽自動車などの塩漬け作業を行っていた。
男鹿市に住む農家(67歳)は「日本海から吹き付ける潮風が、一冬かけて車をじっくりと塩漬けにしてくれる。よーく塩が染み込んだ車は、昔から伝わる冬の保存食で、しょっぱい物が好きな秋田県民好みの味。今年の出来栄えが今から楽しみ」と話す。
にかほ市に住む農家(52歳)は「車の底面は潮風が当たりにくいのですが、雪の上に撒かれた融雪剤(塩化カルシウム)のおかげで、底面まできちんと塩漬けにされます。先人たちの知恵と工夫には思わず感心させられますね」と笑顔で話していた。