B食クラバーの人生において、自らの意志によって進んで回らない寿司屋に入ろう!なぁ〜んて思ったコトは、そりゃぁ〜思うダケはタダだから数え切れないぐらいあるのだけれど、実際に入った回数を数えると、片手でさえ余る程だ。
反対に、回る寿司屋に入った回数を数えてみると、♪両手〜でもぉ足りない〜と、まるで名前に反して意外と不幸な人生を歩んでいる女子をテーマにした歌の内容ソノモノだ。モチロン、B食クラバーの人生だって、サチコに負けないくらい幸薄いが。
回らない寿司屋に入らない理由はタダ一つ。ズバリ金額だ。回らない寿司屋と言えば高い店、と言うのが、B食クラバーのポンコツな脳味噌にインプットされている情報だ。
しかしマテ。一体何故回らない寿司屋が高くて、回る寿司屋が安いのだろうか。一体こんなコト誰が決めたと言うのだ!と、無闇ヤタラと熱くなってみる。
高いんだケド回る寿司屋があっても良いし(B食クラバーは行かないが。もとい、行けないが。)、だったら回らないのに安い寿司屋があったって良いじゃないか!いや、あって欲しい!って言うか、あるべきなんじゃないんですかっ!どうですか、沿道の皆さんっ!!
…。…。…。(一呼吸)
え〜っとしかし、ようやく最近になって、回らない寿司屋でもランチタイムならば安いんだよ!と言うコトを学習した。ホントについ最近。こんな簡単なコトに気付かなかったなんて、今迄の自分の人生ってなんだったんだろうかと、莫迦莫迦しさに呆れ果てる。
そんなコンナでイツモの通り、毎日をグダグダ無駄に過ごしているB食クラバーはある日、1軒の寿司屋さん情報をキャッチした。ソノ店はランチをやっているのも当たり前の上、寿司6貫になんと蕎麦が付いて\980の安心価格だと言う。店名は勘八。
何と言うステキ寿司屋!コンナ寿司屋の登場を、ワタシ生まれる前からずっと待っていたの!ず〜っと、ずっとなの!!と、大声をあげながら満月に向かって涙を流すぐらいの興奮が込み上げてくる。
場所は以前、アルタの所在を探している時に女王様が教えて下さったランドマーク、清寿司のあったトコらしい。恥ずかしながら、回らない寿司屋ってのは自分には縁のないトコだよねーと思っていたB食クラバー的には、一体イツ清寿司がクローズして、いつ勘八がオープンしたのかってコトは、ワリと良くその辺を通るクセに全く解らなかったのだが、今となっては
ソンナのカンケェーネェー!
と言うワケで左拳を地面に向かって突き下げつつ、勘八へと向かってみた。
しかし、人生とは厳しいモノ。降って涌いた様な幸運が、誰の元へも平等に訪れるなんてぇコトはありはしない。チャンと努力をして、アリの様に堅実に頑張っている人に向けてコソ、ある時御褒美としてもたらされるのだ。何の努力もせず、自堕落なキリギリス生活を続けているB食クラバーにソンナもの、訪れようハズもない。
店先に辿り着いた時、アマリにガランとしたのでアレ?と思ったのだが、安くて美味い寿司を食べるコトが出来るぜ、♪ヘェ〜イヘヘイ!と浮かれまくっていたB食クラバーは気付かずに、中に入ろうと扉を掴む手に力を入れた瞬間にようやく、今日は定休日だと言うコトに気が付いた。扉は固く閉ざされていた。
脳天気にも程がある。定休日の確認なんて基本中の基本だ。そんなコトにさえ気が回らず、何かの熱にうなされたかの様にダラダラと来てしまった結果こんなコトになるなんて。努力を続ける人には相応の結果が待っているし、一切調べたりしなかったB食クラバーに出来るのは寿司を食べるコトではなく、只々うな垂れるのみだ。コノ日はもう、諦めるしかなかった。
そして後日、再び寿司6貫と蕎麦を\980で食べたいぜ♪ホイッ・ホホ〜イッ・ホホイッ!との情熱が首をもたげて来た。しかし、前回のコトで多少なりとも学習したB食クラバーは熱くはならず、今日もマタ休みなんじゃないの?と自問しながら、少々冷めた体で定休日を確認してみた。すると、本日は休みではないコトが解った。と突然、
♪ラ・ラ・ラ・ライッ♪ラ・ラ・ラ・ライ♪ラ・ラ・ラ回らない寿司〜屋〜でエクササイ〜ズ♪
ワン・ツー・スリー!
頭の中で白いタンクトップを着た、見るからに運動好きそうな2人組が、何かに取り憑かれたかの様に踊りまくる。まるでB食クラバーを応援してくれているかの様だ。勘八への足取りも軽い。前回とは違って、ランチのノボリも立っている。扉も軽快に開く。ゴメンクダサイ!動かないカウンターに少々気圧されながらも店内へと進み入る。
テーブル席・カウンター・小上がりとあるが、店員さんは小上がりを薦めてくれた。慣れない回らない寿司屋のコトなので、テーブル席で良いかなーと思っていたトコロに、思わぬリッチ感がプラスされた。
襖で仕切られる小上がりが2部屋。各部屋には4人用のテーブルが2つ設置されているが、ソレらの間には仕切り板があり、排他度も高い。慣れない回らない寿司屋のコトなので、若干緊張しなくもない。ランチメニューは数種類あり、ソレらを見ると何か美味そうだなぁ〜とコノ後に及んで迷ったりもしたのだが、迷えば迷う程決められなかったので、やはりココは初志貫徹。寿司6貫と蕎麦を\980で食べられる、そばすし定食を頼んでみた。
なんだか緊張するので、襖は閉めずに開けておいたのだが、丁寧にも店員さんが閉めてくれた。しかしヤッパリ何だか落ち着かないので、トイレに行った時襖を開けっ放しにしておいたのだが、店員さんは再び、丁寧に閉めてくれた。襖を閉めるのがデフォルトならば仕方がない。少々居心地は悪いが、コノ空間に慣れるようにしよう。
玉子・マグロ・ブリ(?)・蒸海老・イカ・イクラの6貫に、温かい蕎麦の到着。料理が届いてから、あっ!冷たい蕎麦に出来るか聞けば良かった!と思ったが後の祭り。回らない寿司屋は、コンナ簡単な質問も気軽に出来ないぐらい、B食クラバーを硬直させていた。
寿司は、ネタも大ぶりだがシャリも大きい。寿司2貫でオニギリ1ヶ分とは良く聞くが、コチラのは寿司3貫でオニギリを2ヶ作るコトが出来そうだ。寿司は6貫あるので、オニギリに換算すると4ヶ分。コレだけでお腹一杯になる位だが、更にソレに蕎麦が付く。
蕎麦はまるで、素麺の様に細い。コレ程までに細い麺は初めてだ。ウドンと素麺の違いが、手延べ・乾麺・太さにあるとしたら、コノ蕎麦にもモシカして、同じ様なコトが言えるのだろうか。だとしたらコレは何と呼ぶべきか?などと、どうでも良いコトをさも真面目ぶって考えてるフリしている辺り、食べ終わろうとしている今になっても尚、回らない寿司屋に慣れていない様だ。
もしかしたらB食クラバーと回らない寿司屋は、一生相容れぬ仲なのかもしれない。(食後にコーヒー付き)