需要と供給のバランスとは、良く耳にする言葉だ。簡単に言うと、人々の求めに応じて、とある物品が世の中に出回る量が決まったりするって言うコトだろうか。コレによって市場経済は回っていて、一般市民の多くは満足した生活を営んでいる。
翻ってB食クラバー。つまらなくも下らない自分の人生を振り返ってみても、自分の欲しいモノが気軽にソノ辺で買えた!って言う印象がアマリ無い。自分が欲しい!って思うモノが、多くの人にとっては価値のないモノだと認識してガッカリみたり、どうしてコレの良さが皆には解らないんだろう!と思ってみたり、自分でも考え方が統一されない。コンナB食クラバーは、ジョンですか?ポールですか?と、モトハル先生にジャッジして頂きたい気分になる。勝手に自分の好みを言ってしまうと、黒ポールを貰ってみたい。
自分はこんなレアなモノが好きなんだぜっ!どうだ、スゴイだろうっ!!と、声高に自慢して回ったりする中二病的なコトは恥ずかしくて出来ないって思うB食クラバーはもしかして、中二まで成長し切れていない中一病だったりして、なんて思わなくもない。
さて、最近B食クラバーの興味を惹いてやまないのが、野菜炒め定食だ。美味しい野菜炒め定食を食べたい。出来るならキャベツがメインのが良い。ソンナ野菜炒め定食は、一体ドコで食べられるんだろうかと、一番気軽に調査出来そうなネットで検索してみても、コレと言った情報が返って来るコトが無い。
ラーメン・カレー・イタリアン・フレンチなどに関しては、ドコカの街角で『ブログ運営している人〜!』とかって叫ぶと、ホトンドの人が手を挙げてしまいそうな昨今、情報も溢れる程ありふれているのだが、野菜炒め定食に関してはそうはならない。
多くの人が、野菜炒め定食にはソレ程興味を示していないのが理由の一番であるコトは明らかで、実際B食クラバーだってつい最近まではホボ無関心だったのだから仕方ない。
B食クラバーが野菜炒め定食に飽きるのと、野菜炒め定食に関して充分な調査結果を得られるのと、ドチラが先に訪れるか解らないが、ソノ時が来る迄イバラの道は続く。出来るなら、B食クラバーが通った後の道筋が、誰かの手助けになったら良いなって、コレはヤハリ中二病の症状か。
ある日TVを流しながら他のコトをしていたら、『定食屋さんに行こう!』と、元気良く叫ぶ声が聞こえて来た。【定食屋の情報=野菜炒め定食への近道】と言う図式が出来ているB食クラバーがソレに反応し画面を見つめると、どうやらサタナビっ!次回放送時の特集らしい。以前は良く見ていたサタナビっ!も、最近はアマリ見ていない。久しぶりに見てみるか!と思った。
案の定と言うか、サタナビっ!は見逃した。習慣付いていないと、TV番組って見逃しがちだ。しかしサタナビっ!にはホームページがある。一体ドンナ店が紹介されたのだろうと見てみるとソコには丸の内食堂と言う、いかにもな佇まいの店が載っていた。
店の住所と一行のコメント位しか掲載されていないが、ソノ行間と言うか語彙と言うか、ソンナ目には見えない枝葉の部分から、美味そうな野菜炒め定食の香りが漂ってくる。次のランチは丸の内食堂で野菜炒め定食を!と心は決まった。
初めて入る丸の内食堂。ワリと良く通る道筋に面しているが、ココに食堂があるのに初めて気が付いた。B食倶楽部の活動をしていると、こう言う現象には良く出くわす。って言うかしょっちゅうだ。自分の知らない秋田を常に発見できるって、こんなコトでもスバラシイ。
店内は、長めのカウンターとお座敷。夜10時迄営業していたり、看板に食事処とか書かれていたり、ヒョットしたらココは飲み屋メインでやっているのかもしれない。
席に座って早速メニューを見つめる。目的の野菜炒め定食を発見した。さぁ、コレを頼むぞ!と思った瞬間、その周辺にも目が行った。レバ野菜定食、肉入り野菜定食と言う文字が、野菜炒め定食の上下で輝いている。
野菜炒め定食を食べよう!って言うか野菜炒め定食しか食べないぜっ!って心意気で来ては見たモノの、目の前にチラつく更にゴージャス気味な料理の前で心がグラつく。まるで池に落としたのは鉄の斧なのに、金の斧と銀の斧、ドッチがお前の斧なのかと質問された木こりの心境だ。
ココは正直に『鉄の斧(野菜炒め定食)です!』って言うべきなのだろうが、魔が差したとしか言い様が無い。『金の斧です!』って心境で、レバ野菜定食を注文してしまった。嘘を付いた木こりの気持ちが良く解る。人間誰しも、誘惑には勝てないのだ。更に、肉野菜炒めでもレバニラ炒めでも無いトコロが、B食クラバーの弱い心をくすぐった。
待ちに待ったレバ野菜定食の到着。キャベツ・ピーマン・もやしと、期待通りの野菜に、細長く切られたレバーが混ざっている。てっぺんに紅生姜が乗っかっているのも嬉しい。B食クラバーが思っているよりもキャベツ率が低いのが残念と言えば残念だが、コレに納豆が付いているのが定食マニア的にはたまらないだろう。
味付けも甘すぎず、ショッパすぎず、ついでに辛すぎずで丁度良い。もう少し量があっても良いかな?って思えたのはコノ間、力食堂で食べた印象が強すぎたからか。こうして少しずつ、野菜炒め定食マップは完成して行くのだろう。
さて、嘘を付いた木こりは結局、自分の斧をも取り戻すコトが出来なかったのだが、B食クラバーにはどんな未来が待っているのだろうか。