商 品 名
秋田小雪

店 名
(有)大正堂

住 所

秋田県大館市御成町1-24-1

初めて食べた日
2003/09/02
TEL.

0186-42-0484

営業時間

前 説


 今年にしては珍しく暑かった夏のある日、その情報は突然まあ女王様からもたらされた。
あるHPのアドレスを教えて頂き、何やら美味しげなスウィーツが載ってるので見るが良い、
と言うコトであった。更に続けて、ちょっと遠いケドわらわのために買ってくるが良い、とか仰
せつけられた様な気もするが、今年の夏には珍しい暑い夏の日の出来事であったため、そ
の部分についてはサラっと通り過ぎてしまったし、おそらく気のせいであったに違い無い。

 言われるがママにHPを開くと、ソコには、怪しげな情報がコレでもかコレでもかと、ウンザ
リする程載っていた。いや、それぞれの情報については、それなりに興味を惹かれるモノも
あり、酷く本当のコトっぽい。ではどの辺が信憑性に欠けるのかと言うと、ずばりタイトル。

 幾ら価値のありそうな情報でも、『いい加減な旅行社』と言う意味のタイトルを持つHPの中
で語られては、そう易々と信じ切れるモノではない。おっ、コレはえぇなぁ!とか思って次々
にリンクを辿っていった結果、『こうしてお前はマタ騙されたワケだが。』なんて文字がデカデ
カとショッキングピンクで点滅するページが表示されたりしたら、この夏を乗り切る体力が一
気に蒸発しそうである。あるいは、六万年ぶりに最接近する火星に(住んでいる可能性のあ
る火星人に)吸い取られてしまうかも知れない。

 そのHPに載っていたのは、秋田小雪と言う小さいケーキ。デンマーク産チーズを使ったモ
ノと、ベルギー産の本物のチョコを使ったモノと2種類あるようだ。半熟蒸し焼きで作っている
ので、今迄に無い程のフワッとした食感を楽しめると言う。チーズにはヨーグルト、チョコには
コアントローを隠し味として使用していると言う点も見逃せない。

 油断すると、HPを見るダケでヨダレがダラダラと顔面を伝い始めそうになるのだが、その全
てを、HPのタイトルが帳消しにしている。正にプラスとマイナスの波動が完全に一致し、明
鏡止水の極意を目の当たりにしている心境である。

 さてどうしたモノかと考えていると、女王様から、『タイトルは不真面目だケド、書いてるコト
はホント。』と教えて頂いた。じゃぁ買いに行ってみようかなと思いながらも、車で2時間位か
かる場所で販売しているため躊躇っていた。そのまま数日が経過しようとしていたある日の
コト、女王様から連絡があった。『秋田小雪、只今解凍中。』胸の鼓動が急に高鳴る。

Comment


 まあ女王様が、地元に住むお知り合いの方に、『わらわのために買ってくるが良い。』と仰
られたと言う話は聞いていたが、どうやらそれが今、女王様の手元にあるらしい。冷凍状態
で輸送されてきたモノを、解凍している最中と言うコトだ。

 女王様がコノ様に教えて下さると言うコトは、当然B食クラバーの分もあるのに違い無い!
と勝手に解釈し、その旨を伝えると、渋々気持ち良く答えてくれた。『チーズとチョコ、1ヶず
つ残しておくぞよ。』

 ホントはスグにでも受け取りたかったのだが、女王様はロイヤルデューティな執務がお忙
しそうだったため、『わらわの時間が空いたら連絡するので、それまで待つが良い。』とのコ
トであった。多忙な女王様を煩わせるワケにはいかないので、素直に従うコトにした。

 しかし、気が付くとそれから既に一週間、何の連絡も入らなかった。女王様は身動きもと
れない程に忙しいのか、はたまた食欲に負けてB食クラバー用の分がなくなってしまったの
か?等と気にしながらも、女王様に負けない位忙しかったその日に、女王様からの勅旨が
寄せられた。(え〜、携帯にメールのコトです。)

 ホントにその日は猫の手も借りたい位息つく暇もなく、借りたからと言って所詮猫の手なん
だから、後からのフォローが大変になりそうな状況もようやく落ち着き、午後7時を回った頃、
さて、そろそろ帰り支度でもするか!と思って何げに携帯を見るとメールの着信表示が。

 あっ、今日は携帯が鳴ったのも解らない位忙しかったんだなと、軽ぅ〜くメールをチェックし
てみたら、何とその中に女王様からの勅旨が!『本日、時間が空いたぞよ。』え?マジです
か!?と喜んだのも束の間、着信時間をチェックしてみると、昼過ぎに着いていた。あら〜、
コレはチョット時間開けちゃったなぁと、申し訳ない気持ちになったが、更にチェックしてみる
と、午前中にも同様の内容の勅旨が!

 突然、動悸、息切れ、眩暈にも似た症状の三重苦が襲いかかってくる。救心を一瓶一気
飲みしたからって治るワケもない。その様子を見た職場の人は、顔面蒼白になったB食クラ
バーを見て、一体何があったのか?と、不思議に思ったかもしれない。

 慌てて女王様に連絡をとってみた。しかし、さすがハイソサエティ&ノーブルな方は、少々
のコトでは動じないらしく、『今から渡してやるぞよ。』と、テンダネスでカインドリーなお言葉
を掛けて下さった。こうした紆余曲折の末、やっと秋田小雪との対面が叶った。

 (※ここから『ビリー・ザ・キッド』へ)

 何とか女王様にお目もじ、次の様なお言葉を賜った。『現在冷凍中であるが、自然解凍で
はなく、冷蔵庫の中で一日掛けて解凍するが良かろう。』そのお言葉通り、冷蔵庫の中で
24時間眠らせた。

 一昼夜が過ぎ、遂に秋田小雪を口にする瞬間が訪れた。チーズ味はサッパリ、チョコレー
ト味は逆にマッタリ濃厚であった。2種類のケーキの、色と味と舌触りの違いを感じながら、
ココまでホント長かったよなぁ〜と感慨にふけ始めると、あるコトに気付き、愕然とした。

 『そう言えば秋田小雪の代金、払ってないや。』

と言うワケなので、金額は解りません。