17:30過ぎに到着。その時間で駐車場の2/3が埋まっている。店内に足を踏み入れると、
1家族だか2家族だか判然としない団体が先客として待っていた。彼らの後ならば、ソンナに
時間も掛からないだろうと思い、待つコトにした。店員に『只今の時間、2〜30分お待ち頂く
コトになりますが。』と声を掛けられたが、開業したての店でそれ位待つのはどうって程のコ
トもない。店内の待ち席は一杯だったため、風除室内の席に腰掛けた。メニューが手渡され
たので、待ち時間も無駄にはならない。
程なく、次から次へとお客さんがやって来た。B食クラバーより4組位後のお客が、『お料理
をテーブルにお運びできる迄4〜50分掛かりますが。』と言われ帰って行った。2〜30分が、
いつの間にか4〜50分になっている。ラッキー!と思う反面、ヒョットしてテーブルに案内さ
れるまでが2〜30分って言われたのかと、漠然とした不安感に襲われる。しかし、ココまで
来て帰るワケにもいくまい。まな板に乗せられた鯉の心境である。
先客の家族連れがテーブルに案内されたため、まな板の上に載せられた鯉は、まな板ご
と店内の待ち席に案内された。ココまで所要時間20分。店員は2〜30分って言ったので、恐
らく長くても後10分程度でテーブルに案内されるに違いない。待っている間店内の様子を観
察すると、料理のオーダーに関するトラブルがあって、非常に混乱している様に見受けられ
た。ラーメンを食べ終わる頃にバンバンジーが運ばれて来たテーブルがあって、同じ品を頼
もうと心に決めていたB食クラバーを不安にさせた。
遂にテーブルに案内される。ココまで総所要時間30分。多少の混乱はあるモノの、時間に
は正確らしいコトが解った。日本のビジネスマンには必要なコトである。さて、オーダーを取
る段階になって、店員はコチラが感じていた不安の、見事に真ん中を射抜く言葉を投げ掛け
て来た。『只今の時間、料理が出来る迄少々時間が掛かるんですケドもヨロシイでしょうか?』
ココまで来て、ヨロシイもヨロシクないも無いでしょう。ヨロシク無ければ一体どうなると言う
のか?席を立ったら今迄の時間が無駄になるダケである。それともダメだ!と言えばマッハ
で料理が出来上がるのだろうかとも思ったが、『はい、良いですよ』と答えた。試しに店員に
何が早くできるのか聞いてみると、ラーメンとご飯モノなら、と言うコトであった。
ワンツーチャーハンと言うご飯モノが気になったが、写真も何もなく情報が拾えなかったの
で、どんなチャーハンか聞いてみた。すると、『ハムとかネギとかタップリ入った、ウチ特製の
チャーハンです!』と、元気イッパイ答える店員。『って言うか、ソレってフツーのチャーハンじ
ゃん。』と心の中で突っ込んでいると、コチラの心の中を察したのかどうか、『スイマセン、上
手く説明できなくて!』と、やっぱり元気に答えて来た。どう言うチャーハンなんだかサッパリ
解らないが、店員の熱意に打たれ、ワンツーチャーハンを頼むコトにした。
そんなやり取りがあったため、結構長い時間その店員はB食クラバーのテーブルに付いて
いたのだが、狭い通路を塞いでいたので、彼の後を、料理を運ぶ別の店員が通る度に腰を
前に引いていた。その都度、B食クラバーのテーブルの上に、彼の象徴とも言えるフィギュ
アの辺りが(もちろんズボンを履いているワケだが)突き出して来て、B食クラバーをゲンナリ
させた。その数は確か5回程か。
もっと照明の暗い、って言うかドギツい色のライトが差し込む店でなら、店員のこの振る舞
いは、お客さんを盛り上げるパフォーマンスとして受け取られ、店内も異常な興奮状態に陥
るのだろうが、とてもチップを挟む気にはなれない。一体コレから料理が出て来る迄、どれ程
の時間が掛かるのか緊張しながら、ワンツーチャーハン、揚げレバー、麻婆豆腐、ユーリン
チー、そしてバンバンジーを頼んだ。
手に汗を握りながら緊張して待っていると、厨房の方から『ワンツーチャーハンあがりまし
たぁっ!』と言う声が聞こえて来た。!いや、アレはズ〜ッと前に頼まれた他のお客さんの
分だよ、そうに決まってんじゃん。と、自分で自分をなだめていると、そのチャーハンは、B食
クラバーのテーブルに運ばれて来た。
ご飯モノなら早いって、幾ら何でも早過ぎじゃないですか!所要時間約2分。牛丼並のハ
イスピード。作り置きか、オーダー間違いがあった料理なのかと思っている内に、次々と料
理が運ばれて来た。絶対に最後に来るだろうと思っていたバンバンジーだってアッと言う間
である。全ての料理が運ばれて来る迄に掛かった時間は約18分。テーブルの上の料理が
片づいていないので、もっとゆっくり持って来てくれ!と逆に頼みたい位であった。
一方、他のテーブルではヤッパリ、一部オーダー漏れ等が発生している様であった。会計
時には、オーダーを取ってくれた店員が応対してくれたのだが、『どうもスイマセンでした!』
と、大きな声で謝っていた。別にコチラとしては何かに憤慨していたツモリなど無いのだが、
案内するのに時間が掛かったコトを言っているのか、チャーハンの説明が上手く出来なかっ
たコトを言っているのか、それともヤッパリ、何度もテーブルの上に腰を突き出したコトを言っ
ていたのだろうか。
トコロで、時間が掛かるからと断っといてコレだけの時間で料理が出てくるなんて、通常な
ら一体どれ位の時間で料理が出てくると言うのか。何だったら注文した瞬間に出てくるのか
もしれないと、三浦精肉店で感じたセンスがリアルに甦って来た。
しかしそんなコトも、この建物の伝統とも言える、壁一面に描かれた10匹程の、人民服を
着て人民帽を被り、10人乗り(匹?)の自転車に揃って乗っている豚達の壁画を眺めなてい
たら、どうでも良くなった。
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