店  名
 きはちらくはち
食べた日
2006/07/09

住  所
 秋田県秋田市茨島6丁目10-21
営業時間
 

電話番号
 018-866-3889
定休日
 

比内地鶏親子丼
比内地鶏親子丼・アップ
ステーキ丼
ステーキ丼・アップ
わらび餅バニラアイス添え
エントランス
前  説

 秋田市内を何の気なしにドライブ中、ソレまでに見た記憶の無い看板が目に飛び込んで来た。非常にデザインされたひらがなでソレはどうにか、『きはちらくはち』と読めた。ソノ看板のデザインの印象から居酒屋らしいコトは瞬時に判断できたが、『コノ先何メートル』とか書かれた文字を見るにつけ、ソコがドンナ店なのか、妙に気になり始めた。

 看板の設置位置からの距離を考えると『きはちらくはち』は、ぢんぢんぢんのある商業エリアにあるんじゃないかと推測できた。広い駐車場を持つソコならば、ドンナ店であるかも思う存分検証出来ると言うモノだ。やがて目的地である商業地域に到着。辺りを見回すと、やはりソコに『きはちらくはち』はあった。ココの商業エリアには何度か来たコトあるのだが、ソノ時からコノ店はあったのだろうか?行ったイツからココにあるのだろうかと、やや気にならなくもない。

 非常にモダンな感じのする、シンプルなデザインのエクステリア。焦げ茶と薄茶が交互にソレを織りなす。通路の左右をスポットライトが照らし、風情のある竹が植えられている。コレはもう、絶対にあり!ココで食事をしようじゃないの!と、ソノ時のB食クラバーは思った。幸い、どんなメニューがあるのか壁に貼ってある。何げに見てみるとソレは、ランチメニューの様であった。

 中でも目を惹いたのは、比内地鶏親子丼だ。上の方に赤文字でおすすめ!なんて書かれた日には、もう食べないワケにはいかない。更に良く見ると、ランチメニューと書いてある。ソノ時は、既に昼ご飯を食べた直後であったため、次回コノ辺で昼ご飯を食べる時は是非ココで!と心に決めて、ソノ時はソノ場を離れた。

 そして2回目。比内地鶏親子丼を食べるべく、きはちらくはちへと車を走らせた。さぁ、親子丼を食べるぞ!しかも比内地鶏だぜ!ヘイ〜ヘヘイ♪と、勢い良く店の扉を開けてみたが、期待していた、店員による、『いらっしゃいませぇ〜!』と言う景気の良い声は聞こえてこなかった。静まり返った店内。お客さんの声も、店員の働く音すら聞こえない。

 もしかして定休日なのだろうか?とも思ったが、なら何故扉が開くのか?との疑問が溢れ出て、一体次にどう言う行動をとって良いか解らない。思考回路が暫く停止した後、一旦行動の全てをリセットしよう!と思って、ようやく店外へと足を出した。

 臨時休業か何かかなぁと、改めて諦め切れずに、壁に貼ってあるランチメニューを見てみると、得体の知れない違和感が込み上げて来た。不思議に思って更に注意深い視線をメニューに注ぐと、ソノ理由がようやく解った。なんとランチは、土日祝ダケだと言うのだ。訪れたコノ日は平日だった。

 恐るべし、きはちらくはち。大概の飲食店ではランチと言うと平日提供の代名詞で、ドチラかと言うと土日祝はランチ休みますって店が圧倒的に多い様に感じられる。タマに土日祝もランチやってます!って店にめぐり会うと、何て良い店なんだ!店主が天使に見える!とか思ったりもするのだが、まるっきり初めて遭遇する新しいランチ営業体系に戸惑いを隠せない。

 しかし、いくらココで冷や汗を流し、瞬きを繰り返しつつ目を何遍擦っても、きはちらくはちでランチを食べられるワケでもない。ぐったりした心を抱えながら、ソノ日は店を後にする以外選択肢はなかった。


Comment

 晴れて、日曜日の昼下がり。前回きはちらくはちを訪れてから1ヶ月以上経過したと思うが、遂にきはちらくはちでランチを食べるチャンスがめぐって来た。親子丼を食べるぞぉ〜!と前日の夜から燃え上がった心にはモチロン、歯止めなど利かない。もし今日行って、今度コソ臨時休業とかだったら何をしでかすか解らんぞ!と、誰に言うワケでもなく心に思う。

 店の扉を開ける。前回もココまでは体験した。ココから先、新しい体験が出来るだろうかと一瞬考えた後、ソレは杞憂に終わった。店の奥から店員さんが、いらっしゃいませぇ〜!と、元気な声で反応してくれたのだ。遂におすすめの比内地鶏親子丼を食べるコトが出来る!想像するダケで思わず、ツバを飲み込んだ。

 店は入り口で靴を脱ぐシステム。板張りの廊下を進む。廊下からは直接、各テーブルを見るコトが出来ない。全てのテーブルが、半個室の様になっている。扉の無い個室とでも言うべきか。店内の様子をジックリ探る前に、入り口から一番近いトコに案内された。あれ?もしかして他にお客さんって…って予感が体を駆けめぐるが、そんなモノはスグに消えて行った。

 テーブルに付くまでは、比内地鶏親子丼を食べるぞ!と何の疑いも迷いもなく考えていたのだが、テーブルに付いてメニューを見た瞬間、ステーキ丼と言う文字が目に入って心が揺らぐ。こうした場合の常套手段は、一緒に行った人と違うモノを頼んでの互いにシェアだ。同行のクラバーRさんを説き伏せ、比内地鶏親子丼とステーキ丼の2種類を頼むコトに、マンマと成功した。

 後は注文をするダケなのだがサイドメニュー内の、『わらび餅 バニラアイス添え』がチラッと目に入った瞬間、コレは食べなくては!と、心の中のデザート魂に火が付いてどうしようもない。早速店員さんを呼び、それらを注文した。

 ステーキ丼、親子丼共に、しっかりツヤツヤの外硬内軟に炊きあがったお米が心地よい。なんでもそうだケド、特にどんぶりモノのお米はこうでなければならない。ステーキは塩コショウが利いていて、タレに付けなくても美味しく食べられる。口の中で溶ける!って言う程柔らかいワケではないが、居酒屋でサイコロステーキとか注文するとタマにある噛み切れない!って言うコト全くない、程良い感じのステーキ肉。御飯がどんどん進む。

 待望の比内地鶏親子丼。ドンブリのフタを開けて中を見ると、味の蔵の究極の親子丼を何となくだが彷彿させる。両者とも比内地鶏を使っているからなのだろうか。赤いドンブリに半熟の卵。つゆだくのため箸では食べづらく、そのため木さじが付いてくるトコロも似ている。嫌がおうにも期待が高まり、ソノ高まりのまま口にした。ふんわり卵と、甘じょっぱいタレの味が何とも言えない。そしてココまで美味しいとは思ってもいなかった。

 コウ言う書き方をすると両者に対して非常に失礼だが、ハッキリと解る味の蔵との違いは、鳥肉を焼いているかどうかってコトぐらいだ。両者とも甲乙付けがたい。お酒も飲みたい!って時は味の蔵で、親子丼ダケを食べたい!って時は、きはちらくはちを選ぶ感じだろうか。

 わらび餅バニラアイス添えもベリーグッド。黒蜜をかけて食べる両者は大変美味しい。普通の親子丼が\500と、ランチの場合全てのメニューは\500〜\900の範囲内と言うリーズナブルさもB食クラバーのセンスにジャストフィット!良い店にめぐり会ったなぁって思うと同時に、一体イツからココにある店なのかがヤハリ気になって仕方ない。いつオープンしたのか解らない店は、いつクローズするのか解らない!ってコトはないだろうか。ソレを裏付ける様にとでも言うか、我々の滞在中、店員さんの話し声は聞こえるが、他のお客さんの声は一切聞こえて来なかった。

 後で調べたと頃によるとどうやら、きはちらくはちは、ぢんぢんぢんと同じ系列の店らしいコトが解った。そう解ると、2軒が並んで立てられているのも納得が行く。ぢんぢんぢんがオープンしたソノ日から隣に建っていたのだろうかと、相変わらず気になって仕方ない。

 たまたまお客さんがいなかったダケで、夜の居酒屋タイムの時は大混雑に違いないと思うが、コレからは親子丼を食べたい!って思ったら、なるべくココに優先的に来ようと思った。