店  名
 レストラン ココット
食べた日
2010/01/23
住  所
 秋田県秋田市泉登木68-5 2F
営業時間
11:30〜15:00 17:30〜22:00
電話番号
 018-865-7153
定休日
日曜日・祝日

タングステーキ
タングステーキ(アップ)
ステーキMIXスペシャル
ステーキMIXスペシャル(アップ)
サラダ
スープ

前  説

 今迄通り過ぎていたダケの店を思い切って訪れようキャンペーン!

 去年からのB食クラバーの行動を解りやすくまとめてみたら、こう表現するのが妥当だろうか。さっきまで考えていたコトってなんだったっけ?と、3分前まで必至に悩んでいたコトすらトイレに立つと忘れてしまうと言う、ミジンコ並の知能しか持たないB食クラバーの脳みそで記憶を辿ってみても、全くの新しい店よりも、前から知っていたんだケド何となくスルーしていた店に出掛けたコトの方が多い様に感じられる。

 今回も、何か食べたいケド何を食べたらいいのかサッパリ解らない腹持ちのB食クラバーが、なるようになれ!と出掛けた先の割合近くにある店でごはんを食べようと思って向かってみると(ソノ店も以前から気になっていたがスルーしていた)、ソコではなにやら大人数による宴会が繰り広げられていて、とても一見さんが飛び込める雰囲気ではなかった。

 そうそうに店を変える決心をしたB食クラバーだが、代わりの候補が見つからない。とりあえず当たりを付けて車を走らせてみるも、近づくに連れて今日食べたいのはそんなんじゃ無い!って気持ちが強くなっていった。

 B食クラバーは一体何が食べたいのか、自問してみるも明確な答えは見つからない。まるで朝出掛ける時母親に、今日の晩ご飯何が良い?って聞かれて、何でも良いよ!って応えている様な気分だ。

 母と子の会話なら、そう言う言葉を投げかけて後は母親任せにすれば良いが、現在の場合言葉を投げた方も投げかけられた方も、両方をB食クラバーが担当しているからそうはいかない。

 あんたねぇ、何でも良いって言うのが一番困るのよ。もっとなんか具体的に、ソレでいてこっちには考えられる幅のあるコト言って頂戴!とか言われて逆ギレし、

 じゃぁ黄色!黄色いモノ!!

 と言い残して帰宅してみたら、カレーとかオムライスとか茶碗蒸しとかタクアンとか、和洋中と世界中の料理から黄色い料理が無数に並べられると言う、おいピータン!!に於けるマユ家の様な出来事が起こりかねないので、全く以てコレはあり得ない。

 さてどうしたモノかと考えていたトコロ頭に思い浮かんだのは、ちょうど近くにいたコトもあって、ヤッパリ今迄気になっていたケド一度も行ったコトが無い店、ココットであった。

 じゃぁ行ってみるか!とB食クラバーの心は、急速にココットへと吸い寄せられて行った。


Comment

 秋田市の新国道沿いにあるコノ店は、3本の道路に挟まれた三角地帯の中に、ソノ建物だけがポツンとそびえ立っている。一体何故、まるで取り残されたかの様にコノ建物だけがあるのだろうか。

 新しい道路が出来る時に、この建物の持ち主が立ち退きを拒否したのか、ソレとも偶然三角形に残った土地が安かったから店が出来たのか、当然のコトながらソノ理由に関しては知る由もない。

 ソノ取り残された感と、そろそろリニューアルした方が良いんじゃないですか?と傍目にも感じられるエクステリアが、B食クラバーとココットの間に、ナイル川の川幅にも似た距離を作り出していた。が、今や徳川幕府による神田川の造成工事も斯くありなん!と思える程の突貫工事も完了し、ココット・ナイル川には七色に反射する光も眩しい、官能的なアーチを描いた橋が架かっている。B食クラバーは遂に、ココットへの第一歩を踏み出した。

 三角地帯の一角に車を停めて、ココットがある建物へと向かう。ココから結構急な階段を上り、2階がココットの店舗だ。洋食屋だと言うコトは聞いていたが、一体何が美味しいのだろうかと考えながら進んで行くと、階段の途中途中におそらくオススメ的な料理であろうメニューが貼り出されている。

 一番大きく目を惹いたのは牛タングステーキ。まぁソノママ牛タンのステーキらしいケド、他にも沢山メニューあるんでしょ?とアマリ気にせず店内へ入って行った。

 店内は、外観から想像した通りのオールドファッションスタイル。最近B食クラバーが行く店に多い、昔ながらの喫茶店みたいな作りだ。入り口横の壁にはホボ一面を使って、隙間無くマンガのコミックスが並べられた本棚がある辺りも喫茶店っぽい。

 テーブルに着き、何を食べようかとメニューを見ていると、不思議と先程見かけた牛タングステーキが頭から離れない。あれっ?さっきは違うモノを食べようと思っていたのに変だな?と思って一所懸命違う料理を食べようと目をこらすも、完全に目も舌も心も、まるで全身が牛タングステーキを欲しているかの様に燃えている。

 今から食べるモノは牛タングステーキ以外に考えられない。明日のコトは解らない。でも今は君に夢中なのさ!I always love you, all my life!とバカリに、心の底からほとばしる熱き情熱を全て吐き出すかの様な勢いで牛タングステーキを注文した。

 肉が焼ける音を聞きながら待っている時間の心地よさに黙って座っているコトが出来ず、厨房を覗きがてら先程の本棚まで移動する。(移動したついでに)どんなコミックスがあるのか見てみると、モーニングとかヤングなんとかって辺りのが多かった。KissとかBE・LOVE辺りは間違っても置かれてない無い辺り、店主が好きで買った本達なのだろうか。

 改めて店内を見てみると、ヤケに年季の入った(おそらく昔使っていたのであろう)テニスラケットが何本もレイアウトされていたり、映画だってコトは解るんだケド、一体なんてタイトルなのか解らない映画を映しているTVモニターとか、BGMも決してヒットチャートを賑わしている様な曲が掛かっていなかったりだとか、そこかしこに店主の好みが反映されている様に感じられる。チョット気合いの入った自宅ってムードも匂わないではない。

 料理の到着。黒く熱せられた鉄板の上に牛タンが横たわっている姿は、焼音までもが香ばしい、シズル・フィーリングタップリの臨場感。アバターを観て鬱になった人には、コレを見せてやれば一気に回復するのでは無かろうかと勧めてみたい。

 ニンニクしょうゆ味のソースをかけて早速頂く。口に入れた瞬間、予想外の柔らかさに舌が驚く。仙台の牛タンしかり、焼き肉屋の牛タンもしかり、牛タンって言うのはある程度歯ごたえを楽しむ食べ物だと思っていたが、コチラの牛タンは今迄一度も体験したコトの無いぐらいな柔らかさ。油っこいワケでもなく、かと言ってパサパサしているワケでもなく、一体全体どうして牛タンがコンナに柔らかいのか不思議でならない。

 食べ終わる頃になっても、柔らかさにソレ程変化が見られないにも驚く。全く、してやられたぜ!って気分で一杯のB食クラバー。

 食事を終えて余韻に浸っていると、B食クラバーの知る古い喫茶店の様な店では、もんてちんくる葡蘭馳(ぶらんち)など、鉄板で焼かれた肉料理を提供してくれる場合が多いコトに気が付いた。

 コレはもしかして何かの符号なのだろうか?喫茶店ではステーキを出すモノなのか?ソレとも黒い鉄板に乗って料理が出てくるのは現在と言うよりも、一昔前のスタイルなのか?

 満足感を得たと共に新しい疑問を抱え込むコトになり、冬の日本海側で良く見られるスッキリしないお天気の様な気持ちを抱えて店を出ようとするB食クラバーの目に、牛タングステーキのポスターが飛び込んで来た。良く見るとソレは、入り口の階段部分から含めて店内の何ヶ所にも貼られていた。

 やられた!B食クラバーが無性に牛タングステーキを食べたくなったのは、コレら気付かない内に視覚に訴えかけるサブリミナル効果によるモノだったのか!ちくしょー!とか思ったが、アンナに柔らかい牛タンを食べるコトが出来たのだから、良しとせざるを得まい。

 しかしながら次回コノ店を訪れる時は、サブリミナル効果に惑わされるコト無く、本来自分が一番食べたいハズの料理であるトコロの海老フライを食べよう!と心に決める。果たして、惑わされるコト無く実現出来るのか、楽しみでもあり、不安でもある。