遠足。社会科見学。小学生の一年間を彩るイベントとして、コレ以上のモノがあるだろう
か。(日常的なイベントとしては、不意に訪れる自習も捨てがたい。)修学旅行なんてのは
一番盛り上がりそうなモノだが、コレは年間と言うよりも、6年間の集大成と言う気がするの
で、ココでは仲間に入れないコトにする。
他にイベントと言えば、運動会や学芸会なども挙げられるがソレらは、例えば全力疾走な
んかで体を酷使したり、あるいは歌やセリフを覚えるなど、多少なりとも努力と言うか、肉
体的にか精神的にかの苦痛を伴うので、小学生の頃から筋金入りのぐーたら好きのグー
タリストであるワタクシとしては、授業が無いと言う利点があるにせよ、少し引いたポジショ
ンに設定せざるを得ない。
ちなみに小学校の確か5年生の学芸会で担任の先生が、クラス内で声が大きい人数名
を、各クラスからの代表何名かで構成する劇の役者として選出したコトがあった。その中に
ワタクシもいたのだが、その、演劇を指導する役割の、別のクラスの担任が、劇の練習の
進み具合か、マタはクオリティが自分の思い通りになっていない!と感じていたらしく、
『どうしてコンナ人達しか選ばれてこなかったのかしら!』と、ソレこそ辺りを切り裂かんば
かりの声で叫んでいたコトがあった。
その現場を今でもリアルに思い出せる辺りソノ出来事が、小学生のワタクシにとって意外
と大きなトラウマになっていると感じられる。自分に指導力が無いのを生徒達のせいにして
切れるなんて如何なモノかと、今の自分なら言い返せる様な気もするのだが、当時のワタ
クシは、自我を確立してから数年しか経っていない若輩者。クラスの中で選ばれた時は誇
らしい気分でいたのに、選ばれた後では敗者の気分であった。
頑張っているのに否定される気分。それは今に至るまでワタクシの心に、時々暗い影を
落としている様な気がする。そんなコトもあってか、自分からは何もしない、只状況を受け
入れるダケで済む遠足や社会科見学がベストなイベントだと思っているのかもしれない。
終わった後の感想文だって、隣の席の洋一君や、彼が好きだったゆかこちゃんが書いた
のをチャチャッとマネしちゃえば簡単だし。
それ程の社会科見学好きであるワタクシが、小学校6年間で唯一、参加を断念した時が
ある。当日になって腹痛だか何かを起こして、無念にも一日中、床に伏せて過ごしていた
のだ。例えば前日から楽しくて楽しくてしょうがなくて熱が上がったとかそんなコトではなく
フツーに過ごしていて、次の日の朝迎えた大惨事。社会科見学をパスしたコトなど、後にも
先にもコレ一回切りである。
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次の日、如何に今回の社会科見学が素晴らしかった
かを語る同級生を前にし、憎しみにも似た憧憬の念を持
つワタクシ。
今にして思えば、コノ出来事があったがタメに、ソノ後
のワタクシは社会科見学好きになったのかもしれない。
コノ、只一度切り逃した社会科見学の行き先、ソレがコ
カコーラ工場だったのである。
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