□EPISODE V  〜Coke Factory Strikes Back


 目の前に広がる光景が信じられず、ガッカリと項垂れるワタクシに向かって、コカコーラ社
員は説明を続ける。しかしそれらの言葉は胸には届かず、只々流れ、過ぎ去って行くのみ
であった。半ば放心状態で聞いていたので違うかもしれないが、目の前で止まっているラ
インは、ペットボトルのアクエリアスが本来ならば流れているトコロらしい。入れ替えの時間
だか何かで止まっているとのコト。心の目でベルトコンベアに乗ったアクエリアスを動かして
みるが、想像は想像でしかない。虚しさが広がるダケであった。

 瓶の洗浄。瓶詰め。冷却した炭酸の圧入など、実際に
目の前で繰り広げられていたら、楽しくて仕方ないだろう
工程が全て架空の出来事に。しかしもうそろそろ、現実と
向き合わなくてはならないだろう。せっかく説明してくれて
いる人にも申し訳ないし。ようやくココで、心を入れ替えて
みた。

 先程作成したシロップに対して、炭酸を入れる工程。コ
コで注意すべきは、炭酸が低温だと言うコト。コノ後、中
身の入った瓶を温める機械に入れるらしい。しかし、例

えばQoo等の製品は逆に温かくなって出てくるとのコト。この、温めたり冷やしたりと言うの
を、一つの装置でやっていると言うのは驚きである。電子レンジと冷蔵庫が1つになった様
なモノだろうか。


 続いて瓶の洗浄や検査を行うブロックへ。ココでよう
やく、ベルトコンベア上を何かが流れる景色に遭遇で
きた。単なる空き瓶とは言え嬉しい。さっき迄塞ぎが
ちだった表情も、ニヤけてしまって仕方ない。出来れ
ば誰にも悟られたくないが。

 瓶に例えば、ゴミとか虫とかが入っているのは、ま
あそうかもなと想定の範囲内だが、ボールペンが入っ
ているコトがあると言う。一体どう言う状況でボール
ペンが入るのか、気になって仕方ない。ボールペン

なんてモノは、入れようと思わなければ入らないと思うのだが。マズは人間の目で大きい
異物を確認し、その後は機械で小さい欠損などを検査するらしい。耐圧検査。洗ビン。検
ビンと言う作業が繰り返される。

 人間の検査員は1人で30分交代。ソレ以上は集中力が続かないらしい。もっと細かい
検査をしているトコロもあるそうで、ソコでは10分間隔の交代がされているとのコト。最終
的には、人間の目による検査が行われている辺り、アナログ人間としては非常に心強い
が、機械が見抜けなかったモノを検査するなんて、ラフォージのバイザーでもセットして
いるんじゃないかとさえ思えるが。(え〜、スタートレックネクストジェネレーションの話で
す。解らない方申し訳ありません。)

 更になんか、味見係の人もいるそうですがコノ場合、毎日同じモノを口にするワケで、
ワタクシなんかがやったら、3日で舌が麻痺しそうで恐い。

<BEFORE(A New Coke)

NEXT(Return of the Coke)>