空想の宇宙とは違い、ソレぐらい現実の宇宙と縁の無かったワタクシに、星空の魅力を、
相変わらず謎めいた視線で語る耶麻元くん。彼は星座の話をワタクシに話し掛けてくるの
だが、ソレ以上にワタクシが興味を持ったのが、『夜、星空を1時間ぐらい眺めていると、
最低1回は流れ星を見るコトが出来る。』と言う彼の言葉だ。
え?流れ星ってそんな簡単に見られるモノなの?なんかスッゴイ、年に1回あるか無い
かぐらいの現象で、望遠鏡とか持ってないと肉眼では見られないモノなんじゃないの?
とか思っていたワタクシにとって、ソレは青天の霹靂の様に響いた。と、ココまで書いて、
中学生時代のワタクシの、アマリのイタさにコメカミを押さえずにいられない。
(何故だか涙が出てきて、画面が滲んで見える。)
それからのワタクシは、宿題や試験勉強の合間、気晴らしだ!とか言っては、星空を
見上げていた。安普請だが、幸いにして窓が広い部屋だったので、電気を消すと、幾ら
でも星が見えた。時には屋根の上に寝っ転がって見てみたり、そう言うコトをしていると、
自分がTVドラマの登場人物達と、同じ様な行動をしているコトに気が付いた。
そっかー、アレはTVの中ダケの特別な話じゃ無くって、誰でもがする当たり前のコトな
んだ!と、今更ながらに気が付くワタクシ。まぁ何て言うか、自分がTVドラマの登場人
物になったみたいだ!とか思わない辺りが、身の程をわきまえていると言うか、それ程
迄には浅薄じゃなかったコトに、大人になった今は感謝したい。
まぁ、ただ星空をボォ〜っと眺めているのも暇なので、音楽を聴いたりしていながら。
ポリスの『見つめていたい』なんかを聴きながら見る星空なんてのはもう!…とか書い
たりしてみると、やっぱ何か少しイタイか。
幸い田舎だし、星を見る分には事欠かなかった。流れ星は、そう、1時間では見るコト
が出来ない日もあったし、30分間で2〜3度見る日もあった。最初の頃は願い事を!
とか思ったりもしたが、アマリにも一瞬の出来事なので、願い事なんてする暇もない。
あの僅かな時間の中で願い事を唱えきるコト。ソレが自分の願い事になっていた、本
末転倒も甚だしいミドルティーンの頃のワタクシ。
高校を卒業して、仙台や東京に移り住んでみると、上空の夜空よりも、地上のネオン
の方が明るいコトに気が付いた。星なんか1ヶか2ヶしか見れない。そんな環境にいる
ワタクシは、星空のコトなんか忘れ、夜の街の楽しさへと、没頭して行った。
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