そんなワタクシに、再び夜空の魅力を思い出させてくれたのは何だったのか、今は覚え
ていない。当時渋谷にあった五島プラネタリウムに訪れたのが、きっかけだった。しかし、
何故ソコを訪れたのか、本気で何も覚えていない。渋谷駅からイツモ間近に見えるその
施設に、ホントに何も考えるコト無く引き込まれていったのか。
サンシャインビルや五反田のプラネタリウムにも何度か行った。世間の人がディズニー
ランドに遊びに行く感覚で、プラネタリウムに行った様な気がするのだが、今にして思え
ば、イマイチ地味な印象は拭えないし、何とも安上がりだ。
秋田に帰り、再び星空のコトは忘れていた。いや、帰りたての頃は結構注意していた。
都会に住む人が田舎方面に旅行に出掛けた時、その見事な夜空を見て、『降るような星
空だ。』とか言ったりするが、ワタクシもそうだった。濃いグレーの中に、月と他には3つ位
の点が見えるのが夜空だと思っていたワタクシに、久しぶりに見る秋田の夜空は、圧倒
的な迫力を持った映像として現れた。
冗談みたいな星空。当時のワタクシはそう思っていた。夜空の隅から隅まで、星のな
い場所など見当たらない。黒い部分を覆い尽くすかの様に、無数に散らばる星達を見な
がら、秋田には天然のプラネタリウムがある。そう思った。そして同時に、秋田にはプラ
ネタリウムは存在しないとも思った。特に調べたりもせずに。
冗談みたいな星空にも慣れ、それ程の興味を持たなくなっていたワタクシに、その報
は唐突に知らされた。りあさんの友人が盛岡にあるプラネタリウムに行ったらしい。しか
もなんだかソコのプラネタリウムは、日本に3台しかない光学式投映機と、フルカラー
CG投影装置を所有していると言う、何とも昔の星空好きだった頃の思いを増幅させる
のに、コレ以上ないアイテムを携えているらしい。
行きたい。そのプラネタリウムを見てみたい。見上げれば、自然の素晴らしい夜空を
いつでも見るコトが出来るのに、何故ワザワザ人工のモノを見たがるのか。人の心と言
うか、特にワタクシの心はイツモ衝動的だ。りあさんも、プラネタリウムの付録が付いた
大人の科学マガジンを買う程のプラネタリウム好きらしい。2人の思惑が重なった。コカ
コーラ工場見学以来2度目の、探検の旅に出掛けるコトになった。
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