□Raiders of the lost mistery about can.         05/11/17


 コカコーラ工場の見学と言う、小学生の頃からの、積もりに積もった後悔と怨念を晴らした
格好のワタクシだが実は、更なる謎も抱えていた。瓶やボトル製品は、各々に中身を入れ
てから、王冠やキャップを閉めればいい話だろうが、果たして缶製品には、一体どうやって
中身を入れて、またどうやって栓と言うかフタをしているのだろうかと、気になって気になっ
て仕方ない。

 コカコーラ工場では瓶&ペットボトル製品しか作っていなかったため、また、ソレらを見て
大興奮していたので気が回らなかったのだが、冷静になって考えてみると、その構造と言
うか理屈がサッパリ解らない。プルタグのトコに細い管を通して、ソコから中身を入れてい
るのだろうかとか、ソレにしてもフタをする際には、ハンダとか高熱で缶を熱する必要がある
し、その時の不純物が内部の液体に混ざり込んでしまいやしないだろうかとか、貧しい頭
で一生懸命考えてみたが、何一つ、納得の行く回答を見いだすコトが出来なかった。

 自分の思考能力の限界を感じると共に、そんな自分が頭を働かしてみても、到底考えつ
かないモノだろうとは、モチロン理解しているツモリなのだが、ソレでも何故なのかを知りた
い欲求を抑えるコトは出来ない。

 普段なら、コンナ時に活躍するインターネットなのだが、探し方が悪いのか、目的の情報
をサッパリ得るコトが出来ない。コノ答えを得るためには、もう1度コカコーラ工場を見学す
るしかないのか。いや、しかし待てよ。アソコの工場では缶製品を作っていないから、行っ
てもムダかもしれない。って言うかそもそも、普通の人なら一生に一回訪れれば満足する
であろう工場見学を、コンナ短期間の間に2回も行ってしまったら、何を考えているんだか
解らない要注意人物として、警察にマークされるコトになってしまうんじゃないだろうかとか
色々な下らないコトを考え、常識人として暮らすためにも、缶飲料はどうやって作られてい
るのか?と言う命題については、アマリ考えないで生活する様にしていた。

 そんな当たり前の生活が、イツモ通りに訪れ、そして平凡な日常を同じ様に繰り返して
過ごしていた時、不意にソノ情報は訪れ、ワタクシのハートを熱く鷲掴みにし、そして、無
関心を装ってはいても、決して避けて通るコトは出来ないモノであると、望む望まないに
関わらず、虜にしていた。

 ある日会社に行くと、キリンビールのチョコレートが配られていた。なんでも同僚のお母
さんがキリンビール工場の見学に行ったとかで、そのお土産らしかった。ふ〜ん、キリン
ビールの工場ね…。と、一瞬何も考えず、素通りしそうになった思考が突然ストップ!工
場は、仙台にあると言う。

 仙台と言えばソレ程遠くは無いし、秋田からも適度に
離れ、誰もワタクシを見て、『あ、あの人こないだ、コカ
コーラ工場も見学してた人よ!』と言って、後ろ指を指す
コトもないだろうと言う安心感がある。それにビールと言
えば、瓶の他に缶製品も作っているに違いない。

 缶製品にどうやって中身が注がれ、どう言う構造で栓
がされているのかを知るのに、コレ以上適した環境も無
いであろう。


 最後の疑問を解決するため、キリンビール仙台工場へと出掛けるコトにした。

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