目的地が仙台とは言え旅には違いない。旅にはお供が必要だ。桃太郎には犬・雉・猿。
三蔵法師にも豚・河童・猿。こうしてみると、猿のお供率が最も高い様に感じるが、たった
2つを挙げてみたダケなので、とても正しいとは言い難いが。いや、三蔵法師が誰で、猿
が誰なのかってコトについては全く考えていないのだが。
旅のお供には、りあさんが手を挙げてくれた。コカコーラ工場と言い、キリンビール工場
と言い、どうやらりあさんは工場好きな様だ。コカコーラ工場ではペットボトルのラインが動
いていなかったため、欲求不満が溜まっていたのかもしれない。ワタクシが、ワタクシの抱
えている謎 〜 どうやって缶の中に飲料を入れているのか 〜 を話すと、りあさんも気
になって仕方なくなったらしい。コカコーラ工場の時も今回も、決して無理矢理付き合わせ
たワケではないと、ソコだけは理解して欲しいが。
出発当日、と言うか前日から、秋田市内には雪が降っていた。積もる程では無いが、車
を運転するモノにとって、コレはナカナカ厳しい。ノーマルタイヤでも大丈夫だろうと、頭で
は解っていても、実際に目の前に見える道路の色が白いと、使わなくてもいい神経を、ヤ
タラと使ってしまうのだ。かと言ってコノ程度の雪でスタッドレスタイヤに履き替えては、ス
タッド部分が減りまくってしまって勿体ない。多少神経を使うのはしょうがないコトとして、
ノーマルタイヤで出掛けるコトにした。
道中、なぁ〜んか白い、小さいモノがフロントガラスに当ってる気がするなぁとか思いな
がら運転する。秋田から仙台に行くには、奥羽山脈を越えなきゃいけないんだケド、ソノ
内の何個目かのトンネルを越えたら、辺りはスッカリ雪景色に変身。このトンネルに入る
前迄は、ホンのさっきまでは紅葉が綺麗だなぁ〜、秋も深まっているなぁ〜とか思ってい
たのに、コレは一体どう言うコトなのかと面食らう。
何だか、ドコだかの長ぁ〜いトンネルから抜け出たら、
ソコは雪の国だった、みたいな書き出しで始まる文学
が多分有名だと思うケド、おそらく、全く同じ経験をした
のであろうワタクシは、只々違和感を覚えるバカリで、
とてもとても川端大先生の様に文学的な感想など、持
ち合わせるコトが出来なかった。
それは、素養の差だと言ってしまえばソレまでのコト
で、そもそも大先生と自分を比べるコトが論外なワケ
だが、ソコを見せつけられた時、自分の無能さに、腹が
立つよりも笑ってしまう。コレは場所の差だと、秋田と新潟の差だと、どうしても思いたい。
必死で。
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