□Raiders of the lost mistery about can.


 夏ぐらいまでは、工場を訪れるとフリーで見学出来た様だが、現在では毎時00分から始
まる、定時見学ツアーに限られている様だ。一番最初に、カメラと携帯の使用を禁止しま
すと言われ、アホみたいに写真を撮りまくるぞ!と意気込み、前夜にバッテリーをフル充
電して来たハートにイキナリ釘が差された。

 撮影も出来ない、質問も考えていないでは、見学中の間が持たない。一体コノ2人は何し
に来たの?とか思われでもしたら、晴れて不審者の仲間入りである。ツアーガイドさんも、
只頷くダケの木偶の坊には、説明していて張り合いが無いに違いない。ツアーガイドさんの
やる気を盛り上げるためにも、コチラから積極的に質問をぶつけるべきだろう。

 ココまで気を使うツアーゲストがかつていただろうか。って言うか何かが間違っている様な
気もするがとりあえず、コカコーラ工場でしたのと同じ質問を、ガイドさんにぶつけ続けてみ
た。すると不思議なコトに、次から次へと質問が思い浮かんで来た。

 ビールの原料となる、麦とホップを手で触る。次に、麦汁を作り、ホップを加える。それに
酵母を加え、発酵させるための部屋を見学する。ソレらの部屋はガラスの向こう側にあり、
入るコトは出来ない。コカコーラ工場と同じシステムだが、中を見渡しても誰もいない。コカ
コーラ工場では、如何にオートメーション化されていても、何名かの作業員の方がいたの
だが。

 気になって聞いてみると、全てをコンピュータのあるモニター室で管理しているので、中に
は人がいないとのコト。完全に管理されている素晴らしさを知ると共に、人の手の掛からな
い味気なさも感じる。人が全く中に入らないのだとすれば、例えば誰かが良からぬコトを考
えて、ビールの原料ではないモノを入れてみたりだとか、そんなコトは無いワケで、ソレは
ソレで心強いのだが。

 ビールを発酵させ、貯蔵するためのタンクは室外にあ
る。タンク1本で、人間が一生の内に飲める、何倍モノ
量が詰まっているそうだ。ソコまで、先程の麦汁の部屋
からは結構な距離があるが、一体どうやって移動して
いるのか気になったのだが、全て自動で動いているら
しい。凄まじい。マサに大量生産をするための工場。ソ
レを実感する。

 1ヶ月から1ヶ月半、低温で貯蔵、熟成し、ソコから濾過

などの作業をしてビールの完成となる。途中、PCのモニタが多数並ぶ部屋を見たが、ソコ
にも人が殆どおらず、一体コノ工場内で、人間は何の役目をしているのかと気になる。東
京ドームの7倍程の広さがあるコノ工場で、どれぐらいの人が仕事をしているのかと尋ねて
みると、なんと僅か200名程だと言う。オートメーションの実力を知ると共に、やはりドコカに
寂しさも感じてしまう。

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