秋田の郷土料理を代表する「きりたんぽ鍋」と、地元で愛される「だまこもち」の鍋。この2つのうち、どちらが上であるのかを決めるため、横手市の後三年合戦跡地で、両陣営に分かれて合戦が行われることとなった。
きりたんぽ陣営は、きりたんぽの形を模した棒状の武器を各々両手に持ち、戦いに挑む。対するだまこもち陣営は、だまこを模したボール状の武器を両手に抱え、相手を迎え打つ布陣を取った。
合戦の始まりを告げるほら貝の音が鳴り響くと、まずはだまこもち陣営が先手を打って、だまこもちを雪合戦のように敵陣に向かって投げ始めた。きりたんぽ陣営は飛んでくるだまこもちを必死によけたり、きりたんぽをバットのように持ってだまこを打ち返そうと試みるものの、思うようには行かず、かなりの苦戦を強いられていた。
戦いの流れが変わったのは、合戦が中盤に差し掛かった頃。だまこもちの残弾が尽き始め、弾幕が薄くなった所を見計らって、きりたんぽ陣営が一斉突撃をかけた。これに対してだまこもち陣営は「究極奥義・味の染みた2日目のだまこ!」という必殺技を繰り出す。しかしきりたんぽ陣営はこれに「秘儀・焼き味噌たんぽ」で対抗した後、返す刀で「最終奥義・知名度はこっちの方が上!」を発動。だまこもち陣営はこの技の前に敗れる事となった。
勝利したきりたんぽ陣営の総大将は、戦いの後「遠距離攻撃ではだまこもちが圧倒的に有利。きりたんぽは近距離攻撃しか出来ないため、序盤は反撃すら出来ずに正直危ないところだった」と、戦いの様子を振り返る。だまこもち陣営の総大将は「きりたんぽは攻・防の両方に使えるのが素晴らしい。だまこもちは投げることしかできないため、長期戦になるとどうしても厳しい。これから改善策を考えていきたい」と話し、握手をしながらお互いの武器の利点を称えあった。
この合戦の様子を見ていた観客からは「きりたんぽとだまこもちの、武器としての優劣はわかったのだが、肝心の味はどちらが上なのか?」という疑問の声が上がったが、両陣営は「味については各自の好みですね」と笑顔で答えていた。