今月10日、大仙市で小学6年生の児童たちが、市内を流れる玉川に鮭の稚魚を放流した。川にはあわせて6万3000匹の稚魚が放流され、海で大きく成長した鮭たちは数年後に再び故郷の川へと戻ってくる見通しだ。
秋田県では同じくこの時期に、学校を卒業した学生たちが次々に県外へと放流される。この日も駅や空港などでは、秋田で生まれてある程度まで大きく育った子供たちに対して「元気でね」「大きくなったら必ず故郷に戻って来てね」などと声をかけ、県外へと放流する大人たちの姿が多く見られた。
しかし農林水産省の調査によると、一度県外に放流された秋田県民が再び故郷に戻ってくる確率は非常に低く、水産資源はどんどん減り続けているのが現状だという。県は「河川の水質汚染の改善をしたら多くの鮭が戻ってくるようになったという事例もある。ただ県民を放流するだけでなく、大きく育った県民が戻って来られるように環境も整えていきたい」と話している。