大仙市で開催される全国花火競技大会を間近に控えた19日に、100尺玉の花火が完成した。通常の花火大会で打ち上げられる花火玉は、大きくとも2尺玉(20号玉)花火であることが多く、これ以上の大きさの花火は、大会の目玉として3尺玉(30号玉)や4尺玉(40号玉)を打ち上げる花火大会が国内にいくつかある程度だ。
大きな花火は製作費用がかさみ、また火薬の取り扱いが危険であることから、今までこれ以上の大きさの花火が製作されることはなかったが、大仙市の花火師が「自分の限界に挑戦したい」との熱い思いを抱き、秋田県内にある火薬をありったけかき集めて花火玉に詰め込んだ。完成した花火玉は直径100尺(約30メートル)を超え、点火して開いた花火は秋田県全域のみならず、北海道や沖縄県からも見ることができるという。
まさに大迫力の花火となりそうな100尺玉だが、使われている火薬の量があまりにも多いために、会場で鑑賞している人が爆風で全員吹き飛ばされる危険があるとして、市民や観光客からは不安の声があがっている。大曲商工会議所は「花火玉が重すぎて通常の方法では打ち上げ不可能だが、能代市にあるJAXAの能代ロケット実験場に協力を依頼し、ロケットを使って宇宙へ花火を打ち上げれば会場の安全性を保てるのではないか」と話している。