店 名

たい焼き きた

住 所

秋田市千秋久保田町5-66

食べた日

2005/02/20

TEL

090-3126-4516

不定休

営業時間

10:00〜19:00

前 説


 泳げ!たい焼き君ってタイトルの歌を、子供の頃聞いて育った。その歌を口ずさむのと、
実際にたいやきを食べたのと、どっちが先だったろうか。B食クラバーが住む地元では、大
判焼きと称するモノはあったが、たい焼きは存在しなかったのを今でも覚えている。って言う
か、たい焼き屋は今でも存在していないが。

 大判焼きのシンプルな佇まいも悪くはないが、それが魚の、しかも高級魚である鯛の形を
しているなんて、庶民の心を擽るコトこの上ない。鯛なんて、親戚の結婚式でも無きゃお目
にかかるコトすらなかった小学生時代のB食クラバーにとって、憧れ以外の何物でもない。っ
て、コレはコレで問題か。一体どんな生活してたんだ。

 と言うワケで、たい焼きと言うのはドコカに出掛けた時にしか食べたコトが無いし、そうじゃ
無い場合は誰かのお土産なので、ドチラにしても普段食べられないモノを口に出来るB食ク
ラバーとしては、かなりウレシイ系の食べ物であるコトは間違い無い。多分そんな理由で、
今でもたい焼きはB食クラバーの中で、好きな食べ物ランキング上位に位置しているのだろ
うと思われる。

 そんな、B食クラバー的にかなりトキメクたい焼きであるが、東京方面では何と、行列をし
てまで皆が食べているモノらしいとは、ワリと最近知った。30分待ち、1時間待ちはザラらし
い。元々秋田で行列の出来る店なんてモノは滅多に存在しないが、たい焼きに行列とは何
事か。そうまでして食べたい東京方面のたい焼きとはどんなモノか。強烈に吸引されたB食
クラバーは、何種類かの東京たい焼きを食べてみたがソノ結果、秋田のたい焼きにはイマ
イチ満足できない体になってしまった。

 秋田で提供される殆どのたい焼きは、たい焼き通の方々の間では人気の無い、人形焼き
タイプと言われるモノで、厚く、柔らかい皮で出来ている。コレでは無く、薄い皮タイプのたい
焼きを食べたくて仕方のないB食クラバーは、秋田で食べるコトが叶わないのなら、たい焼
きを食べに日帰りで東京に出掛けてみるか!等と、フツーの精神状態ではあり得ないコトを
考えるコトもしばしばあった。

 以前、秋田に吉野屋がなかった頃、クラバーKは夜の東北自動車道を疾走し、当時最も近
店であった仙台まで車を走らせた実績の持ち主だが、それを上回るコトは確実。しかし、もし
今クラバーKが突然吉牛を食べたくなったら、上海か台湾辺りまで行かないと食べられない
ので、もし実行したなら、B食界に不滅の金字塔を打ち立てるコトになるのは間違いない。

 

Comment


 多分仕事に関係あるコトでインターネットを駆使していたB食クラバーは、自称マウス4級の
スピードをフルに活用し、猛スピードで必要な情報を集めていた。ソノ動きの早さは、社内で
は他の追随を許さない程であるが、ある瞬間を境に、B食クラバーは微動だにしなくなった。
その画面には、某地元ローカルTV局の、食べ物に関する情報ページが映し出されていた。

 薄い皮、パリパリ、たい焼きと言ったキーワードが次々にB食クラバーの、セグメントとオフ
セットが示すアドレスにスタックされて行き、メモリを消費させていった。もはやメモリーオー
バー寸前である。XP全盛のコノ時代に、黒い画面に白文字のOSを彷彿させる表現をしてし
まって申し訳ないが。

 昔ながらの…って言葉と共にソコには、確かに皮の薄そうなたい焼きの写真が掲載され
ていた。昔ながらの…って、昔はそんなトコにたい焼き屋って無かったよなとか思ったりし
た。しかもたい焼き器の型からハミ出た部分もキッチリ付いている。コレは食べないワケに
はいくまい。堺しぇんしぇいがテーブルクロス引きをする時のシャンパンタワー並に高く積み
上げられた記憶領域を抱えたまま、数日を過ごすコトとなった。

 『たいやき きた』と言う名前は覚えやすい。覚えやすいが忘れやすい。一見回文っぽくも
あるが、実際にはそんなコトはない。その辺も忘れやすさに拍車を掛ける。『たいやき屋きや
だっけ…?』とか思いながら、店の近くまで車を走らせてみたがナカナカ見つからない。そろ
そろあるハズだよなぁと思ったB食クラバーの目に飛び込んで来たのは、『たいやき きた』
の文字であった。

 外から見ると、たいやき焼きブースの中では、人生の酸いも甘いも噛み分けた風情の男
性が、黙々とたい焼きを焼いていた。瞼を閉じると、ザ☆職人!と言う文字が浮かび上がっ
て来る。
タイヤキビーツを踏むでもなく、鮮やかにハサミを使うでもなく、看板娘がいるワケ
でもなく、只々ヒタスラにたいやきを焼き続ける彼は、他人にでは無く、己の中に厳しさを求
めているのであろう。店内に足を踏み入れる。6畳位の広さの店内では、イートインも可能
な様だ。

 外見通り、人の良さを感じる『いらっしゃい!』と言う言葉に心も和む。何段にも積み重ね
られたトレイの中にたくさんのたい焼きを発見。思わず10ヶ下さい!とか言いそうになった
が、コレから食事をしに行く途中だったので、最低限必要な1ヶだけ注文した。パッと見で
も皮が薄いコトが解る、しかも型からハミ出た部分をくっつけたたいやきが、白い紙袋に入
れられた。

 せっかく紙袋に入れて貰ったのだが、店を出た瞬間に1口かじってし
まった。頭から袋に入れられていたのでシッポから食べたのだが、ソコ
にもちゃんと餡が詰まっている。そして薄い皮。B食クラバーが食べた
いパリパリでは無く、柔らかめの皮であったが、コレはコレで東京方面
でもありなタイプである。

 そして塩がまぶされており、それが甘さを引き立てる。

一口カジってしまった後ですが。

 本気でたい焼きに詳しい人ならば、コレは何タイプで、どこそこの店の味に似ている!と
か言えそうだが、B食クラバーがソコまで詳しくないのが残念でならない。とにかく、東京方
面でなら行列必至の味が、並ぶコト無く買えると言うのは大変貴重である。コレでB食クラ
バーも、たい焼きを食べるためにワザワザ東京に出掛けなくても済みそうだ。秋田の人々
にどれ程受け入れられるか解らないが、是非共いつまでも営業して欲しいと思う。いや、
B食クラバーが知らないダケで、既に大人気なのかもしれないが。

 トコロで、店内にはパン、アクセサリーも販売してますよ!ってな貼り紙がしてあったのだ
が、そう言えばどういうモノが売られていたのだろうかと、店を出た後気になった。

 

1ヶ \90