店 名
つな八

住 所

東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 タカシマヤ 13F

初回訪問日
2003/05/04
TEL.

03-5361-1860

営業時間

前 説


 油断すると高級料理のイメージが付きまとう天ぷらだが、例えばスーパーの総菜コーナー
なんかにも置いてあるし、実は庶民の味でもある。その事をB食クラバーに思い出させてくれ
る天ぷら料理店がつな八である。

 低価格で美味しい天ぷらを沢山食べさせてくれる店として人気があり、行列を作らずに食
べるコトなどマズ不可能なのだが、
土手の伊勢屋の様に、TDLのスターツアーズ並に待つワケでも無いし、食べた後に(多分)誰もが並んで良かったぁ〜!と思える店である。

 総本店は新宿三越の裏っ側にある。新宿は個人的に雑多な感じが嫌いで滅多に出掛け
るコトも無いのだが、総本店には何度か足を運んだ。揚げ方の人と会話をしながら、揚げた
ての天ぷらを食べるコトが出来るカウンター席なんてのは、一部特権階級の方々の指定席
で、海原YOU山とかの怖い人しかいないハズ!ってなコトを思っていたので、初めて自分が
そこに座った時は、ビビッドに人生がステップアップして行くのを感じた。1段登る度に、虹の
様に色が変わる階段を歩いている気分でもあった。La Vie en Rose.

 以前わんこさんが、タカシマヤタイムズスクエアのつな八で食べて美味しかった、と言って
いた話を思い出し、そう言えばタカシマヤでは食べたコトが無いし、高層ビルからの景色を
眺めながら食べる天ぷらは(しかも値段を気にしたりせずに)さぞ気分が良いだろう!大空
を自分の翼で自由に飛び回る様な、そんな高揚感が得られるに違い無い!と思い立ち、
2003年B食ツアー中日の昼食は、タカシマヤのつな八へ行くコトにした。

 

Comment


 ここで1つ問題発生。夕べは渋谷の
ぱっぷHOUSEで焼き肉を食べていたのだが、1年振り
に食べる美味しい!って思える焼き肉料理の数々についつい調子に乗ってしまい、ハイピッ
チビールドランカーになったトコロまでは良くあるコトなので目をつぶるとしても、表メニューに
は存在しない裏メニューを次々に注文。去年は食べるコトが出来なかった、ステーキの様に
鮮やかな霜降り肉よりも更に高価なハネシタ(肩から腋下にかけての部分。多分。説明を
聞いたけどモノスゴ酔っぱらっていたので正確に覚えていません。100g\3,000!)まで豪快
に頼んでしまう始末。店員にも『お客さん、良いペースですねぇ。』と言われる。

 この客はイケル!と思ったであろう店員達が、代わる代わる次はコレ如何ですか?と勧め
るモノに対して全て頷く。舌とお腹が満足するのと反比例して、って言うかどっちかって言う
と、2乗した加速度で、財布の方はスッカラカンになってしまった。つな八を楽しむ前に、銀行
でお金をおろす必要に迫られた。

 途中幾つか銀行はあったのだが、タカシマヤの中にもATM位あんだろってコトで、真っ先
にタカシマヤに向かうコトにした。実は去年、連休中は銀行のキャッシュディスペンサーが
稼働しないってコトを全く知らなかった世間知らずのB食クラバーKが、チョットしかお金を財
布に入れないまま東京に来ていて、ATMが稼働する滞在最終日迄、綱渡りの様な休日を
過ごしていたのだが、今年は5/4にATMが稼働するコトをあらかじめ調べておいたので、必
要以上に気持ちに余裕があった。

 タカシマヤのつな八に到着。30人位の行列が出来ている。待ち時間の間にATMを探す旅
に出るコトにした。まずフロア案内図を見る。このフロアには郵便局のATMのみがあったの
で、下の階の同じ場所には銀行のATMがあるに違い無い!と思い、行ってみたが見つから
ない。大抵のデパートならドコに何があるのか簡単に想像がつき、初めてのデパートでもトイ
レとかスグに行けるB食クラバーなのだが、『あっ、チョト焦っちゃったな。上の階だったか。』
と思い直し、行ってみたが見つからない。

 次の対処法として各階案内図を探したが、ATMの場所が記載されている程詳細な案内図
がナカナカ見つからない。こりゃインフォメで聞くしかないなと思ったが、インフォメすらドコに
あるのか解りゃしない。アリ地獄に溺れながら、メビウスの輪にはまっている様な気分にな
る。一気にブルー。さすがアジア最大規模の売り場面積を誇るショッピングモール。デパート
通を自負していたB食クラバーのプライドなど、砂粒よりもちっぽけであった。

 ようやく見つけた案内図によると、銀行のATMは5階にあるらしい。12階→5階→12階へ
の長い旅。何とか待ち時間中にお金をおろすコトは出来たが、約30階分をエスカレーターで
移動したコトになり、無駄なエネルギー消費は、精神的疲労を増加させた。早く鳥になった
気分でてんぷらを食べたい。それが今の疲れをとる唯一の方法である。

 テーブル席へ案内されると我が目を疑う。ココが12階とはニワカに信じがたい風景が、窓
外に広がっている。そこは隣のカフェのテラス席で、ちょっとした公園っぽい景色と、そこに
佇む人々との相乗効果で、高層ビルに店舗があるにもかかわらず、あたかも地上1階で食
事をしている様なバーチャル感を醸し出していた。

 鳥気分を味わえずに愕然とするB食クラバー。こんなんだったら総本店に行けば良かった!
と、前夜の自分の計画性のない行動を、棚に積み上げたり降ろしたりしている間に天ぷら
がやって来た。

 海老天2、白魚のかき揚げ、ししとう天の皿が最初にやって来る。一息ついたトコロでアス
パラ天×3。そして最後に穴子天と小海老のかき揚げがやって来る。客席をドコカで秘かに
監視している様な絶妙なタイミング。揚げたてをスグに食べられる様にとの心配りである。
大根おろし、ごはん、味噌汁はおかわり自由。天ぷらもサクサクである。

 上てんぷら定食はアスパラ天の替わりにナス天と帆立天、ししとう天の替わりにピーマン
天とイカ天がついて来るが、B食クラバー的にはコストパフォーマンスの点でも、てんぷら定
食で充分である。

 久々に食べる美味い天ぷらに、先程までの疲れはドコカに消えて行く。秋田にもコレぐらい
美味くて安くて量の多い天ぷら屋があれば良いのにな!と思いながら、もう1度窓の外を見
るとガッカリ。今度は景色の良いトコロでね。

てんぷら定食 \1,300  上てんぷら定食 \1,800  特製つな八天丼 \1,500