秋田の伝統工芸品である「銀線細工」が、原材料の高騰の影響で、当面の間「銅線細工」に変更されることがわかった。
銀線細工は、江戸時代から続く伝統工芸。職人の手仕事による繊細な細工とその美しさが人気だが、材料が「純銀」であるため、長引く不況や国際的な通貨不安などによる「銀」の市場価格高騰のあおりを受けた格好だ。
銀線細工職人の金良 糸泉さん(66歳)は「50年近く銀線細工をやっているが、こんなことは初めてだ」と困惑した様子で話し、「しばらくは銅線細工職人としてやっていくしかない。今後景気が良くなって原材料の値段がぐっと安くなったら、今度は金線細工やプラチナ線細工にグレードアップしたい」と語った。