秋田市内には、新国道と言う名前の県道がある。県道のクセに国道を名乗るとは一体どう言う了見なのか。県よりは明らかに国の方がグレードが高そうに感じるが、そんな風に名乗ってしまって良いモノだろうか。金融再編の折り、預金量が都市銀行第5位の大同銀行を、同10位の阪神銀行が吸収合併してしまうぐらいの違和感に、世間の人々は包まれないのだろうか。
それとも、”新”を付けてるから、厳密には国道じゃないでしょ?と言う言い逃れの余地があるのだろうか。しかしソンナ不条理がまかり通るなら、自分家の庭を囲って、今日からココは、新国立公園です!とか言い切ったり、勝手に名刺を作って、今日からワタクシ、新国家公務員です!って言ってみたり、加勢大周じゃないのに新加勢大周です!って坂本一生に名乗らせる無法も、何の問題も無く通用してしまいそうでコワイ。
そんな微妙な違和感を、B食クラバーは子供の頃から抱えていた。そう考えると、一体イツから新国道と呼ばれているのか、少々気にならないでもないが、別に調べたいと言う欲求が沸き起こるコトも無い。
更に秋田市内には、旧国道と言う名の県道もある。しかしコチラは、”旧”と名乗っているダケあって、以前は国道だったんですよ!と言うイメージが伝わって来るので、まぁアリなんだろうなぁと言う気がしないでもない。そう言う流れから考えると、ヒョットして新国道は、今は県道だケド、将来国道になるんですよ、と言うコトで名付けられたのだろうか?…あぁ、発想が段々スパイラル状に。
そんなコンナでB食クラバー的には謎が一杯の新国道は、秋田市の官庁街と住宅地を結ぶ幹線道路で、朝夕のラッシュ時には、いつも大変混雑している。新国道の大半は片道2車線なのだが、1部区間が片道1車線で、現在はソコを2車線にする拡張工事が行われている。しかしソレで渋滞は解消されるのだろうか。って言うか、そもそも渋滞緩和の目的で工事が行われているのかどうかも不明だが。
なぁ〜んて思いながら、夕方のラッシュアワーより若干遅めの時間に新国道を車で走っていると、ヤタラ派手な電飾に彩られた看板が目に入った。工事中の看板かな?って気になってみてみるとソコには、ファミリー食堂と書かれていた。
英語と日本語による微妙なアンバランス感が漂うネーミングにクラッと目眩が。一時的に陥った、ブラックアウトにも似た症状からどうにか回復し、工事中の看板に負けないぐらい目立っているアノ看板の店に入りたい!と言う衝動に駆られ、反射的にギアをバックに入れようとしたが、後方に車が続いているのが確認できたため、すんでのトコロで抑える。あわや、大事故を招きかねない危険な看板の存在に身も凍る。(モチロンB食クラバー限定の話だが。)
ソノ時は、事故の危険性と引き替えに、ファミリー食堂へ行きたい衝動を抑えるコトに成功したが、時間が経つにつれ、ファミリー食堂への思いは募るばかり。会えない時間が想いを強くするのよね〜。なんて思いつつ、晴れた昼下がりに、大殿筋も小刻みにふるわせながら、行ってみるコトにした。
憧れのアノ地に実際に立つ感動ってのは、ナカナカに味わえるモノではない。野球部に所属する高校生達にとってソコは甲子園かもしれないし、明日の成功を夢見る投資家達にとってソレは、六本木ヒルズにオフィスを構えるコトかもしれない。2002年W杯決勝が行われた横浜国際競技場に降り立った時の気分を思い出しながらB食クラバーは、ファミリー食堂の扉を開けた。ってソンナ大袈裟な。
良く見ると看板には居酒屋と書かれていたが、今は昼だし関係ないだろう。入り口に貼られている『職人の作るランチ』って言う筆文字も力強く、グイグイと引き込まれる。
店を入ってスグのトコには、何故か果物の直売場が。リンゴやバナナなどが、一山\300とかで、文字通り山の様に販売されている。山って言ったら何故か同じコーナーで、溶岩石とかも販売されている。ファミリー+食堂+居酒屋+職人+筆文字+溶岩石と、ココまで挙がって来たキーワードの多方向性さに、そぞろとなりながらも席に着いてみた。
小上がりにテーブルが3つ。椅子のテーブルが6つ程。コレだけでも結構な広さだなぁ〜と思っていたが、奥には更に個室があるらしい。ソコからは、物凄く賑やかなカーサン達と思われる方々の談笑が漏れ聞こえて来る。
メニューを見てビックリする。大半の食事が\630で済むのだ。親子丼・カツ丼などの丼モノから、カキフライ定食・マグロ刺身定食なんてぇ、ちょっと豪華だよねって思えるモノまで\630かと思うと、早くもB食クラバーの中でフラグがピンコ立ち。MPが100ポイント上昇した様に感じるのは気のせいか。
他の食堂へ行ったとしたら、大体の予算内で自分が食べたいヤツ〜って考えてみると、選択肢ってのはある程度絞られてくるのだが、大半の食事が\630で済むメニューを前に、一体何を頼んだら良いのか、石の様に固くなるB食クラバー。もしB食クラバーがギャル曽根の様な胃袋の持ち主ならば、メニューの頭っから順番に持って来て下さい!とか頼みたいところだが、実際はフツーの人よりもヤヤ小食気味なので、ソレはチョット出来ない相談で。結局メニュー内に、当店イチオシ!って書かれていた、ホルモン定食セットを頼むコトにした。
鹿角直送のホルモン!とか書かれていて、残念ながら夜メニューの様だが、10種類程度のホルモンも用意されている様なので、コチラの自慢はヤハリ、ホルモンと言うコトなのだろう。ホルモン定食は中華そば・ホルモン煮込み・半ライス・お新香・オレンジのセット。コレで\680とは、何とも低価格ではないだろうか。
程無く料理が到着する。中華そばは澄んだスープで、魚臭さが感じられるコトもない。脂身の少ないチャーシューはしかし、柔らかく噛み切れる。何かが激しく自己主張するコトも無し、何かが何かの味を邪魔するコトも無く、非常に食べやすい。個性が無いとか、パンチが無いとか言う人もきっといるだろうケド、素直な味は何とも言えず心地よい。
1口食べた時は、チョット味薄めかなぁ〜と思ったホルモン煮込みだが、食べ進めるにつれて口の中に濃厚な旨味が残って行く。このホルモンがあるからコソ、中華そばは物凄くサッパリしているのだろうか。いつも通り途中でお腹一杯になったが、最後まで食べきるコトが出来たのは、両者のバランスによるモノかもしれない。
メニューには半ライスと書かれていたが、出て来たライスは小さめのお茶碗ならば2杯分位ありそうな量。コレが半分なのかよ…と思いながらも、根性で食す。最近は、お刺身の船盛りとか、そば+刺身+ごはんのセットとか、お昼から結構な量を食べる機会が多かったB食クラバーだが、晩ご飯はキチンと頂いていた。しかし今日は、水とお菓子を少々食べる位で、一切食事をしたい!って気分にはならなかった。ラーメンとホルモンってヤッパリ腹にたまるんだなぁ〜って思うと同時に、刺身・ソバの消化の良さを実感した一日であった。