先日萬八に行った際、そば豆腐、そばいなりなど、そば粉を使ったサイドメニューの豊富さに驚いた。そば料理と言えば単純にそばがき、そば寿司位しか思いつかない。あとは海外に目を移してガレットなんてモノを無理矢理思いついたりするが、ココはヤハリ、和風のそば料理を堪能してみたい。いなりとか豆腐とか、自分的に盲点をつかれたと言う印象が強いのか。そう考えると、他にそば料理ってどんなモノがあるんだろうと気になりだし、色々と調べてみるコトにした。
どんな素晴らしい食べ物があるんだろう!と、はやる心を抑えながら探してみたが、あまり見つけるコトが出来ない。誰かに聞いてみても、そばがき位しか反応がない。ソレは知ってるんで、何か他のを!と心の中で叫びながら他の人に聞いてみると今度は、そばがきすら知らない人がいてエネルギーと時間を無駄にした感が強く込み上げてくる。
しかし考えてみれば、ついコノ間まで自分だってそばがき位しか知らなかったじゃないか。そんなんで他人を責めるなんて、お門違いも甚だしい!と考えを改めるB食クラバー。もしかしてソバを使った料理って、ソレ程種類が無いのかもしれない。自分の弱々しい脳味噌を頼りに記憶を遡ってみても、そう言えば松くらでそばアイスを食べたなぁってコトが思い出される程度。でもそばアイスってソンナに珍しい食べ物じゃないしなぁとか思ってみる。
そもそも自分で頑張らずに、ハナっから他人の知識を当てにしている、ソノ姿勢にコソ問題があるのでは?と、ようやく気付いたB食クラバーは、心を入れ替えてもう少しダケ調べてみるコトにした。…もう少しダケ。
調査を勧めてみると徳島に、そば米ぞうすいと言うのがあるらしいコトが解った。そばの実を挽いたりせずに、蒸した後に殻を取って乾燥させたモノを米替わりにしてぞうすいにするらしい。コレは美味そうだ。食べてみたい!と言う気持ちにはなったが、何せ秋田→徳島は遠い。出張・転勤が多いとか、旅行に携わる業務に就いてる人以外、そう簡単には秋田の地から行くコトは出来ないだろう。
B食クラバーの人生が幕引きにさしかかる頃、お遍路さんと化して四国八十八ヶ所巡りとかしてみたら、そんなチャンスも訪れるだろうか。ついでに本場のさぬきうどんを食べるのも良いかもしれない。…なんかココに来て、人生最後の目標が出来た気分で、図らずも力が湧いてくる。まだまだ若い者には負けん!と、無闇に盛り上がるチカラコブ。一体何歳なんだ。
他に何か無いかなぁ〜と調べている内に、そばを餅状にした料理の存在をしるコトになった。そばだんご・そばあんみつ・そばしるこ・そば餅など。お酒も好きだが甘いモノも好きなB食クラバーにとって、コレらは見逃せない。そば米ぞうすいに比べて特殊性が薄いと直感したB食クラバーは、秋田でも食べるコトが出来ないだろうかと調べた結果、秋田市内の土崎と言う身近な場所で、そばだんごを提供している店の存在を知った。しかも土崎名物だと言う。コレは行かないワケには行くまい。
ソノ店、こんどう食堂の所在地を地図で確認したトコロ、昔B食クラバーがよく通っていた道沿いにあるコトが解った。同じ道筋にはマイスターフォークもある。コレらの店は、あの頃にもあったモノなのだろうか。いくら自分の記憶を呼び戻そうとしてみても、何も浮かんで来ない寂しさよ。そもそも先日マイスターフォークに来た時、あっ!ココにも何か店がある!って思わなかった点が問題だ。判断力の衰えを、どうにかして修正できないモノであろうか。と思っている内に、こんどう食堂に着いた。
仕出し屋風の店構え。そう言えばこういう建物があったかもしれないなと、自分の記憶の中の風景に、コノ建物の外観を照らしてみる。こうして記憶は捏造されて行くのだろうか。入り口の前には何本か幟が立っている。ソノ中の一本に『土崎名物 そばだんご』の文字が。…ヤッパリ思い出すコトが出来ない。いつまでも自分の知能の寂しさを嘆いていても仕方ないので、店内へと足を踏み入れた。
レトロティックな喫茶店の様な印象を持つテーブルと椅子が並ぶ。2階にはお座敷もあり、4人以上とか、お子様連れのお客さんはどうぞと書かれていた。油断すると子供達の間で、大運動会が始まりそうな気がしないでもない。気を取り直してメニューを広げてみると、麺類、定食類、丼モノ、カレー、オムライスなど、サイドメニューも含めると100種程。中でもソフトクリームが\160と言うのがグラマラス。今回はそばだんごが目的なのでやめておくが、次回は是非コノ、リーズナブルなソフトクリームにチャレンジしてみたい。
さて、そばだんごが目的で来店してみたモノの、メインの料理は一体何を食べようかと考え込んでしまう。メニューの多さも今回はマイナス要因に。どうしようかと改めて、何げに店内を見回してみると、製麺技能士工場の看板が。ココはヤハリ麺類で行くべきだろう。それでももう少し何か他の料理も味わいたかったので、6月のおすすめ品として2品紹介されている中から、ミニ玉子丼つきの冷やかけうどんセットを頼むコトにした。最近豚肉再発見!とか思っている身分としては、中華そばとミニ生姜焼丼セットにするべきかとも思ったが。
出て来たうどんは、やや細目の丸い麺。一般的なうどんと、そうめんの中間と言うかソレよりも、太めのそうめんと呼ぶのが正しいのか。コシがあると言うよりも食べやすい感じの麺。ドコカで食べたコトあるなぁ〜と思っていたら、B食クラバーが勝手に第2の故郷と心に決めている、能代方面でよく振る舞われるモノと似ていると思えて来た。初めて入った店で、ドコカ懐かしい感じがしたのはそのせいか。
いよいよ名物、そばだんごの到着。土崎に名物があって、ソレがそばだんごで、実際に目の前にある。そばで作っただんごをアンコで包み、外見的にはオハギに似ている。箸で半分に割ると、中にある餅の色が白ではなく、灰色がかっている。マーサーにそばであるコトの証。食べてみると、米で作ったモノに比べてシットリ柔らかい感じ。米の餅に比べてコシが少ない感じがあるが、ソノ分柔らかさのある粘り気がそば餅にはある。先代の店主が昭和50年に開発した商品が、現在まで販売されている理由も解る一品である。個人的にはもう少し蕎麦の風味が欲しい感じがあるが。
ちなみにコチラの店の箸袋には粋なメッセージが印刷されている。10枚集めると、うどんかラーメン1袋と交換してくれるらしい。なんて素敵なシステム。リピート率も高くなりそうである。