店  名
 エム
食べた日
2005/12/28

住  所
 秋田県秋田市手形山崎町7-16
営業時間
11:00〜21:30

電話番号
 018-835-8936
定休日
 

海老クリームコロッケ
ライス 大盛・普通盛
前  説

 東京から秋田に帰って来たバカリの頃、洋食屋でコロッケを食べたくて仕方ない時期があった。しかし、当時のB食クラバーは秋田に不案内で、結局探すコトは出来なかった。替わりにと言うか、美味しい洋食屋と、コロッケを出すトンカツ屋を見つけたので良しとしていた。ついでと言っては何だが、メンチカツとレバーフライが美味い総菜屋(?)も教えて貰って大満足し、洋食屋でコロッケを!と言う気持ちはイツの間にか消えていった。

 コノ辺現金というか、目指すトコロはもっと遠くにあるのに、身近な誘惑に負け続けている様な気がしないでもない。ソモソモ秋田には洋食屋が少ないし、だったらコロッケを出す店が無くても当然だよな、と、自分勝手な論法にすり替えてみたりして。

 そんな、遠い昔に置き去りにして来た記憶を呼び覚ましたのは、同じ会社に勤めるパートタイマーTさんであった。会社の仕事の話をしていた時、流れからエムの話題が出た。って、食べ物屋の話題が出るなんて、一体どんな仕事の話だよ!と1人ツッコミしたくなる。…ホントに仕事の話をしていたのかどうだかも怪しい限りだが。

 『秋田大学の近くにあって、コロッケが美味しい店なんだケド、久しぶりに行ったら、 ヤッパリ美味しかった!』

 と、パートタイマーTさんは言った。…コロッケが美味しい!?壊れかけて映りがアマリ良くないTVの上部に、斜め45度の角度でチョップを喰らわせた直後、急にハッキリ写りだした画面の様に、B食クラバーの混沌とした記憶の中から、『洋食屋のコロッケ』と言うキーワードが、鮮やかに浮かんで来た。レイズ・ザ・タイタニック!と言う風情が無いでもない。

 早速パートタイマーTさんから詳しい情報を聞き出す。秋大の近くにあるから、ヤハリ秋大生でイッパイらしい。そして何よりB食クラバーのハートを熱くキャッチしたのは、男子と女子で、盛られる御飯の量に違いがあると言うコトだ。何と言う嬉しいサービス。秋大男子学生にとっては、夢の様な話に違いない。運動部に所属している食べ盛りの高校生や中学生にとっても、恐らく共通したテーマではないだろうか。

 コロッケが美味しい上に、そんな面白げな体験まで出来るなんて。コレは行かない手は無い。当たり前のコトだが、無性に行きたくなって仕方なくなった。

 トコロで、以上の話をしたのは仕事中ではあり得ない。確か話題が完全にエムの話に移った瞬間位から、お昼休みに突入したと記憶する。当たり前のコトなんだけれどもね。


Comment

 80年振りとか言う大雪に、除雪体勢が全く機能していない秋田市では、車での走行はおろか、歩くコトもままならない。幹線道路は雪も無く、黒いアスファルトが見えているが、一度小路に入ったら、抜け出すコトにカナリ高等なテクニックを要するハメに陥る。20cm位の深いワダチが出来、そしてそのまま凍っていたり、あるいは、どうしてこうなったんだか解らない位、凹んでいたり凸んでいたりして、そんな道路を走る車はマサにコントロール不可能。川の流れに身を任せ放題の、笹で作った小舟の様な状況である。通常の交通状態ならば歩行者優先と言うのが当たり前だが、コノ様な状況下では、車優先と言うお達しが出ても、不思議ではない。

 そんな道路を、エムに向かってヒタスラ歩く。B食クラバーの横を車が2〜3台通過する。車が50m位前に見えたらすかさず辺りをサーチして、自分の安全が確保できる場所に非難し、車が通り過ぎる迄1分か、場合によっては2分位ソコに佇むので、エムへの道は、ヤタラ長く感じた。普段の倍位かかったかもしれない。数日前に比べればゆるめの吹雪も、ソレを長く感じさせたのかもしれない。

 ようやくエムに辿り着いた。懐かしい喫茶店の様な佇まい。秋大生で溢れかえっている事態も想定されたが、今は冬休みのハズだから、そんなでも無いだろうと思いながら、思いっきり扉を開けると、中はマサに、秋大生でイッパイであった。いや、ヒョットしたら秋大生では無く他の大学生だったり、去年まで秋大生だったケド、帰省したら懐かしかったから来てみました!って人もいたのかもしれないが、何て言うか、学生独特のパワーが店内には充満していた。

 一瞬怯みながらも、負けじと店内へ一歩踏み入れる。幸いにして、テーブルが1つ空いていたのでソコに進む。年末とは言え、コノ規模の店が、コンナに混んでいるとは意外だった。4人掛けのテーブルが8ヶ位あった様な気がするが、アマリのパワーに気圧され、ハッキリとは確認できない。

 気を取り直してメニューを見ると、コロッケはクリームモノが3種類。カニ、海老、チキンとあった。カニと海老はよく見るが、チキンって言うのは珍しいなと思いながらも、散々迷った挙げ句、海老クリームコロッケを注文した。コノ辺、自分のコンサバ具合が情けない。

 料理が到着するまでの間、周りの会話が意識しなくても聞こえてくる。そのテーマはと言うと、イカにも学生らしい内容で、自分がコノ店の平均年齢を一気に上げているのではないかと冷や汗タラリ。しかし途中で、B食クラバーより10歳以上は年上な感じのする(失礼)夫婦らしき方々が入って来たので安心する。そんな葛藤を繰り返している間に、料理が到着した。

 海老クリームコロッケは、クリームコロッケに海老を突き刺した様な形。シッポが飛び出ているので、ヤタラ太い海老フライって感じがしないでもない。コロッケの衣の中に、むきえびの様なモノが入っているに違いないと勝手に思っていたので、少々面食らう。

 コロッケを割ると、マッシュルームのスライスが入っていた。クリームのトロリ具合がナイスな感じ。むきえびを噛み切る時の感触を楽しみにしていたのだが、コレはコレで。

 そして待ち望んだライスの到着。男子と女子での盛り具合の違いに、目が点になる。目測でその差は約2倍。最近御飯をアマリ食べ慣れないB食クラバーの目には、女子の盛りが既にお茶碗2杯分に見えていたので、だとすれば単純計算して男子の皿にはお茶碗4杯分の御飯が盛りつけられているコトになる。B食クラバーの写真テクでは、アマリその違いを表現出来ないのが残念でならない。

 食べ盛りのティーンエイジャーにはありがたい話だが、その世代を越えて暫く経つ世代にはコレはキツイ。コレは男子ならばデフォルトなのだろうか?いやツマリ、何歳の人が入っても、男子であればコレぐらいの盛りになってしまうのだろうかと気になって仕方ない。60歳位のお年寄りとか、小学校3年生に対しても、コノ量が出るのかと、気が気でならない。

 メニューの殆どが\650前後で、更にカレーピラフやナポリタンと言ったトコロが、13:00から\100引きになる点も見逃せない。コノ店には、来るモノを惹き付けるアイテムが山積みされている。年末でも繁盛しているのが充分に納得できる。

 店は家族で経営しているのかなぁと言う気がしないでもない。おそらく、長年秋大生を見続けて来たであろう彼らは、学生時代を秋田で過ごした常連さんが、何年振りかで店を訪れても、『やぁ、ナントカ君、久しぶり。』とか言って暖かく迎え入れるのに違いない。そう思うと、外の天気も忘れ、少しだけ気分が暖かくなった。