□Fly Me To The Korea.

 


 今迄、最大1時間強のフライト経験しか無かったワタクシにとって、軽食と言えども機内
食があるって言うのは、とっても楽しみなコトでして、目の前のテーブルに運ばれてくるの
を、今や遅しと待ち構えておりました。

 出て来たのはパンに生ハムを挟んだモノ。生ハムをパンに
挟むなんて、そりゃたわいもないメニューですが、普段自分で
は絶対に作ろうとは考えつかないので幸せです。ココからです
ね、CAがビールを持ってくるモンですから、飛行機の中とは言
え、大宴会の始まりです。ココは熱海に行くバスの中なのかと
その場に居合わせたホトンドの人が思ったハズですが、ワタク
シ達は気にしません。なんたって社員旅行なのですから。

初機内食にウットリ。

 目的地がドコであれ、どう言う手段で移動しているのであれ過ごし方は一緒。コレぞ社
員旅行。もう少し窓が大きければ、手拍子足拍子で秋田音頭の大合唱が沸き起こってい
たに違いありません。…後から考えてみるとですね、日本人が嫌われる理由が解る様な
気がして冷や汗ダラダラなんですケド。

 オレンジの絵が描かれたカップのモノなんかですね、ゼリーに違いないと
思って、蓋を開けてみたらジュースでビックリですよ。さすが国際線。って言う
か韓国。文化の違いを肌で感じた瞬間でした。でもコレって一体どうやって飲
むんだ?と頭を捻らずにいられません。

 飛行機に乗る前から出来上がっていた同僚にですね、『機内ではビール1缶W500で販
売しているから。』とか吹き込むと、ホントに払おうとするモンで皆で慌てて止めたりして。
そのビールもですね、carifとかprimeとかハングルで書かれたラベルで、韓国気分も否応
なしに盛り上がる一方で、CAが通路を通る度にですね、皆でビールをお代わりしておりま
して、ココは飲み放題の居酒屋なのか?それで良いのか?と勘違いしそうでした。

 ビールが出た瞬間ですね、ワタクシ達は買ってきたツマミを回し始
めたのですが、それがホタテ貝柱とかスルメとか割けてるチーズと
か、やっぱりココは日光に向かうバスの中なのでは無いかと、自分
の頬を2度3度ツネってみたのですが、もう何も感じません。

 コレが夢でも幻でも良いじゃないですか楽しけりゃ。まるでフライン
グハイの心境です。

 そろそろ韓国も近くなって来るとですね、通路側に座っていた酔っぱらいが窓側の座席に
移動しまして、『あっ、下でチェさんが手を振ってる!』とか言って、必死にコチラの存在をア
ピールしているのですが、1万m上空から下にいる人が見えるのかと、下は海だぞとか、そ
もそも何故その人の名前を知っているのかと問い詰めてみたのですが、所詮は酔っぱらい
コチラの言うコトには耳も貸さず、ひととき騒いでおりました。ワタクシ達の前の座席に1人、
韓国の方らしい人が座っていたのですが、コメカミを押さえていた様に感じたのは気のせい
では無かったハズ。

 とにかくですね、そんなコトをしながらも、ワタクシ達を乗せた飛行機は、無事に韓国へと
到着したのでした。

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