見た目は高校生、頭脳も高校生の「秋田一 湖南(あきたいち こなん)」が、陸の孤島・秋田県で起こる数々の難事件を推理で解決するという「名探偵・秋田一少年の事件簿」の小説が発売されることになった。発売日は未定。
【小説内容・一部抜粋】
秋田一少年は一人の人物を指差し、そしてこう告げた。
「犯人はあなたです、柳葉さん」
柳葉は一瞬動揺の色を見せ、そしてすぐさま反論をする。
「わ、私にはアリバイがあるんだぞ!さっきも言っただろう、犯行があったというその時間、
私は秋田に住む知人の家で、TBSのドラマを見ていたんだ!」
「残念ながら、それは不可能なんですよ。なぜなら、秋田県には『TBS系のテレビ局が存在しない』からです」
「し、しかし…私がいたのは秋田市だ!秋田市といえば県庁所在地だぞ!
おそらくケーブルテレビがあって、それでTBS系列の番組も見られるはず…!」
「…確かに秋田市にはケーブルテレビ局があり、それに加入すれば、TBS系列である『IBC岩手放送』を視聴することができます。
しかし、そのカバーエリアは秋田市内の一部の地域…。あなたがいたと主張する秋田市雄和は、完全にそのエリア外!論外なぐらいエリア外だ!」
「くっ……!」
柳葉はがくりと膝をつき、そして観念した表情で、一連の事件の真相を話し始めた。
そう、それは、彼の故郷である大仙市で行われた「刈和野の大綱引き」に端を発する、悲しくも切ない物語だったのだ…。