政府与党は先月末、米の生産調整(減反政策)を数年以内に廃止する方向で検討を進めていることを明らかにした。これを受けて秋田県は、大潟村全体を重機で掘り起こし、再び元の湖に戻すという計画を公表した。
大潟村は、日本で2番目の面積を誇っていた湖である「八郎潟」を1964年に干拓して造った村。当時の政府が「食料生産能力向上」を掲げて大規模な干拓事業を行い、鳴り物入りで入植者を募集して大々的に米作りを始めたものの、その直後の1970年に政府は突如「減反政策」を開始。米の生産量は大幅に制限され、その結果多くの村民が路頭に迷ったという経緯がある。
知事は「政府が減反政策を廃止するのであれば、秋田県は『減反政策開始以前の農業環境に戻すため、大潟村を再び湖にする』という形で協力したい。また『日本で2番目に大きい湖』が復活すれば、観光面での集客が大いに期待できるだろう」と説明した。
しかしこの計画案に対し、県民は猛反発。「日本で2番目の湖では駄目だ!どうせやるなら日本一を目指すべきだ!」というデモが県庁前で巻き起こった。そのため秋田県は急遽計画を修正し、大潟村に隣接する三種町、八郎潟町、五城目町、井川町も全て重機で掘り起こして、滋賀県の琵琶湖を越える「日本一の湖」を造ることを宣言した。