仙北郡美郷町の商店街で、「水ソフト」の販売が始まった。
美郷町六郷は湧き水の里として有名で、町のあちこちから清水が湧き出している。商店街で個人商店を営む千畑さんは「名水百選にも指定されているこの湧き水を、なんとか町おこしに生かせないか」と考え、湧き水を使ったソフトクリームを思いついたのだという。
開発当初は、コーンに湧き水をかけてもコーンがべちゃべちゃになるだけでとてもソフトクリームと呼べるものにはならなかった。何度か繰り返すうちに「水を凍らせれば固体になる」ことに気がつき、氷の塊をコーンにのせた試作品が完成した。
その後、試作品を食べた人達から寄せられた「氷が硬すぎて食べられない」「全然溶けない」「味がない」などの感想を元に、さらに工夫を重ね、塊状だった氷を機械を使って細かく削る方法を考案。容器もスチロール素材の大きなカップに変え、スプーンストローを添えることで食べやすさにも配慮。味についてはイチゴやミルクなどのシロップを上からかけることでカバーした。
こうして完成した水ソフトは、「初めて見たはずなのに、なぜかデシャブを感じる」「子供の頃から何度も食べているような気がする」などと好評を博した。
千畑さんは「シロップの種類を変えることで、いろいろなバリエーションを増やせる。次はレモン味やブルーハワイ味も試してみたい」と話している。今後、この水ソフトは商店街だけでなく、各地の夏祭り会場などでも販売される予定だ。