先日、平田牧場とんやでとんかつの美味さをタコ殴りになる程思い知らされたB食クラバー。また食べたくなったら酒田市まで行けばいいやっ!意外と近いしね!等と気軽に考えていたモノの、実際にはそうはいかない。
ヤハリ2時間ほど掛かる移動距離がネックだ。数日前から、あぁっ、平田牧場のトンカツが食べたくて食べたくてどうしようもないのっ!と、欲求不満の団地妻の様に悶えまくっているのならば、(欲求がつのりまくってどうしようもならなくなるコト以外は)問題ないのだろうが、今突然トンカツが食べたくなった!って時には対応出来ない。
2時間も我慢できるワケ無いし、なによりもソンナ異常とも言える精神状態で、車を運転しながら無事に酒田市迄辿り着ける自信がない。目の前にキュートでプリティなメスがいるのに、檻の中に閉じこめられて何にも出来ないでいる発情期のオス犬もきっと、コノ様な心境に違いないと今、自信を持って言える。
幸いにしてマダ、とんやの残像を強烈に舌と心が憶えているのでソノ様な状況に陥ったコトは無いが、イザと言う時に備えての用心は必要だ。異常気象に見回れている地球上で、今後どの様な災害にあっても大丈夫な様、準備を怠ってはならないのと、B食クラバー的には同義だ。
秋田市内に美味しいトンカツ屋ねぃがぁー。と、情報の網を張り巡らせるB食クラバー。しかし、大概のトコロは行ったコトあるなーとか思う中、そう言えばアノ店には行ったコトがなかった!と言う1軒が思いついた。
ソノ店は外旭川にある『かつ吉』。例に漏れず、場所は解るのだが、いっつも通り過ぎていた店だ。今迄に、何人の人からも美味しいと聞いていたし、確かユカイさんも絶賛していたと思うのだが、何故か今迄入ったコトのない不思議な店。
ソノ理由を考えてみるならば、外旭川でトンカツを食べたければ池やに行けばいいし、話のネタになる程腹一杯食べたければ力食堂に行けばいいやと考えていたからに違いない。
いやコノ場合、何も考えずにソノ2軒の内ドチラかに行っていたと表現した方が正しいだろうか。こうやって改めて振り返ってみると、一度気に入った店を見つけるとナカナカ他の店には足を向けない傾向にある様で、B食クラバーってめっきりコンサバティブ。
しかし、コノ現状を打破しなければ、美味しいトンカツ屋は見つけられない。コレからはアヴァンギャルドにコンテンポラリーなモード系B食クラバーに変身するぜっ!地味だった昨日迄の自分にサ・ヨ・ナ・ラ。コレからはエレガンス&セクシーにっ!
そんな小さなレヴォリューションを起こしつつ、プログレッシブな自分を手に入れるために、マズはかつ吉に行くコトから始めたい。成功した暁には『かつ吉』コソが、B食クラバーにとってのフロンティアになるハズだ。
とんやで食べたトンカツのイメージが焼き付いている中、かつ吉へと行ってみた。このタイミングで新しい店に行くのは危険ではないだろうか。ダウンタウンの次にネタを披露しなければならない、ますだおかだの様なグダグダ感にとらわれたりしないだろうか、とも思ったが、美味しいトンカツ屋を探したい!と言う欲求は抑え切るコトが出来ない。
ソン時はソン時で、酒田市迄ドライブするしかあるまいてー!と、換骨奪胎とも捉えられかねない、理由とも言えない理由を自分に言い聞かせ、かつ吉へと向かうB食クラバーの指先は、ほんの少しダケ震えていたろうか。多くの人が美味しい!と言っていた事実が、B食クラバーの心を突き動かす。
小上がり・テーブル・カウンターと、カナリ広い店内。早速メニューを広げる。ランチメニューを含めると、カナリの品数がある。ランチトンカツ定食でも多分美味しいのだろうが、平牧桃園豚との差があり過ぎても困る。ココは秋田自慢の品種であるトコロの桃豚ロースかつ定食を食べてみよう。何よりも、美味しい豚肉を食べたい!と言う欲求が後押しする。
店内には、厨房にトーサンと、トーサンよりお若い男性の方、そしてフロアにカーサンの3人がいた。厨房のトーサンとは話をする機会がなかったのだが、トーサンよりお若い男性の方とカーサンは、非常に元気でハキハキしていて、チョット話をするダケでもなんだかとっても気分が良くなる。桃豚ロースかつ定食を注文すると、コチラは最初、塩を付けて食べてみて下さい!と教えられた。
出たぁーっ!ココでも塩が幅を利かせている。しかし、今のB食クラバーは完全に塩肯定派。逆に塩で食べろと言うからには、相当の自信があってのコトだろうと、早くもココ正解!って文字が脳裏に浮かぶ。はらたいらさんに6000点!倍率ドン!気分はウッシッシーだ。
料理到着。比べるのは間違いだとモチロン解っているのだが、ソレでもヤッパリ、とんやとの見た目の違いを感じてしまう。いやいや、今はかつ吉に集中すべきだ。何よりもお店の人に失礼ではないかと思いつつ、桃豚ロースかつに塩を付けて食べてみた。すると!
コチラも非常に柔らかい。甘みと旨みが噛む度に顔を出し、ソレが舌に心地よい。塩のしょっぱさに豚肉の甘みが引き出される見事な相互補完。緊急事態用のトンカツ屋を探す気分で来てみたが、ソレはとんでもない誤りだったコトに気付く。ここコソが、現在のB食クラバーの、渇きにも似た美味いトンカツ食いたい欲求を満たしてくれる店だったのだ!
店のカーサンは押しつけるでもなく、最初に塩を付けて食べてみたら、後はお好みによってソースでも食べてみて下さいと言っていたので素直に従い、甘口と辛口の2種類あるソースの内、辛口のをかけてみた。しかし、塩を付けて食べた時程の鮮烈さを得られず、結局最後まで塩で食べ終わった。
頑なな程に塩否定派だったB食クラバーは、アッサリと塩肯定派に寝返った。しかし考えると、今迄にもトンカツに塩を付けて食べたコトはあるし、天ぷらにだって塩を付けて食べたコトがある。しかしアマリB食クラバーの嗜好にはあわず、ソレがB食クラバーが塩否定派になった理由なのだが、コノ違いは何なのだろう?
塩の違い、料理の完成度の違い、塩と料理の組み合わせの悪さなど、理由はいくつか考えられるが、もしコレが年齢的なモノによるとしたら嫌だなぁ〜とか思いつつ、以前は美味しいと感じなかった店に、また今度行って検証してみようかと、少々考えてみた。
ちなみにヤハリ、ココでもボリュームにやられて動けなくなり、ランチで訪れたのにも関わらず、その日は夜寝るまでの間にお茶しか口にするコトが出来なかったコトから考えると、年齢的な要素によるモノだと言う確率がカナリ高い。
トコロでコチラのかつ丼には、あやめたまごを使っているらしい。あのタップリと味の濃いあやめたまごで閉じられた、かつ吉のかつ丼なんて…。想像するダケで涎ジュルジュルものだ。次回訪れた暁には是非ともコレを食べてみたい。