□オクトパスアーミー


 ホテルへ荷物を置き、ようやくソウルでの一食目となりまし
た。行ったのは海鮮鍋の店でして、いよいよ(チラッとでも)ソ
ウルの方々と触れ合う時間が来たのかと、例えば隣のテー
ブルに座っているコリアンとですね、肩組んで陽気に騒ぐな
んてのもあるかもなと、文化交流などしてみる考えもあった
のですが、何のコトは無い。隣のテーブルは大阪の団体客
でした。

 最初は気付かなくてですね、ホント韓国語と日本語ってイントネーションが似てるよなぁと
か思っていて、よくよく聞いてみたら大阪弁だったって言う、何ですかコレは。隣にいた人
に話さなくて良かったと、心からそう思いました。ソウルに行っても隣のテーブルは日本人
同士。結局ドコへ行ってもそうだったのですが、コノ瞬間から、異国情緒は全く感じられなく
なりました。

 以前ハレルヤに行った時はですね、何を食べても辛いモノだらけ
で、途中から食べるコトを放棄してしまった程で、コレが本場の韓国
ならばもっと辛いに違いないと、今回の旅行に出発する迄は相当の
覚悟を決めてきたのですが、コノ店で食べてみると、それ程辛くあり
ません。

 キムチなんか逆に甘さを感じる始末。何か騙された感が拭えませ
ん。今騙されているのか、それとも日本にいる時騙されているのか。

 もしかしたら日本で韓国料理屋を営業している韓国の方々は、

『こんな辛いキムチ良く食うな。俺らぁ絶対ぇ食べねぇ。 ( °Д°)y─┛~~』

 とか思っているんじゃないだろなと言う疑惑が。韓国に入国してから疑惑の固まりになっ
ているワタクシですが、この辺が日本人の島国根性丸出しってトコロでしょうか。いや、食
べやすくて美味しかったんですよ。気が付いたら普段の3倍位は食べていた様な気がしま
す。エアプレーンドランカーだったワタクシは、その店ではウーロン茶で過ごしていたのです
が、食べ終わる頃には頭痛も消えておりました。ごちそうは最高の薬だと、身を以て実感
した次第です。

 コノ店ではですね、ぶつ切りにした生きた蛸の足をゴマだれに付けて食べるっちゅうのが
ありまして、吸盤が皿にくっついて取れなくて、結構苦労をしました。蛸を食べるのは日本
人ダケかと思っていたら、韓国の方も食べるんですね。キムチなんかケジャン迄食べ放題
ですよ。皿が空いたら次から次へと新しいのを持って来ますよ。店員の人の目がですね、

 『コイツラらイツまで食ってんだよ!』

 って言ってるように感じたのは気のせいでしょうか。

<Before(地獄のハイウェイ

(憧れのアカスリ)NEXT>