毎年おおみそかに「ウォー!!」「泣く子はいねがぁー!!」などと大声を上げながら出刃包丁を片手に土足で民家に上がりこむなまはげに対し、地域住民から「いくら神様の使いだとはいえ、他人の家を訪問する時には最低限の礼儀を守るべきだ」などの厳しい意見が相次いでいる。男鹿市は急遽「なまはげの暴れ方に関する指針」と題したマニュアルを作成し、これに合わせて、訪問時のマナーを学ぶなまはげ対象の研修を行うことを明らかにした。
実技研修の中でなまはげたちは、まずドアの前で軽く身なりを整えた後にドアチャイムを鳴らし、中から出てきた住民に両手で名刺を差し出しながら「夜分遅くに突然失礼いたします。わたくし、なまはげと申します。恐れ入りますが、こちらに泣く子はいらっしゃいませんでしょうか?」と丁寧な挨拶を行った。
男鹿市から派遣された研修指導員が「家に招き入れられた時は、玄関で履物を脱ぎ、靴の先をドアの方へ向けて揃えて置きましょう。こちらに敵意がないことを示すため、包丁やカマなどの武器は絶対に持ち込まないようにしてください」等と指導すると、なまはげたちはうなずきながら熱心にメモを取るなどしていた。
男鹿市長は「今月31日までに、食事時の箸使いやお酒の飲み方などを含めた正しい礼儀作法を、全てのなまはげが身に付けられるよう尽力したい」と話している。